消費者庁は6月23日、パソコンなどを販売する富士通クライアントコンピューティング(本社東京都、大熊健史社長)に対して、景品表示法の二重価格表示を認定して、措置命令を行った。消費者庁によると、富士通クライアントコンピューティングは、「キャンペーン価格」として表示する、パソコンの価格を、通常よりも2万~4万円安く見せるために、販売実績のない通常価格として、「WEB価格」を並べて表示していたとしている。
富士通クライアントコンピューティングは、大手PCメーカーの富士通の関連会社だ。
同社のPC販売におけるシェアは、日本国内で第2位だとするデータもあるという。
消費者庁が違反を認定したのは、富士通クライアントコンピューティングのECサイト「WEBMART(ウェブマート)」における、(1)実際に販売した実績のない通常価格を表示する二重価格表示(2)期限内に購入した場合に限って特別価格で購入できるかのような表示(期限限定表示)(3)期限内に対象商品を複数購入した場合に限って特別価格で購入できるかのような表示(まとめ買い表示)─の三つだ。
二重価格表示については、「LIFE BOO K WU2/G」など、15商品が対象となっている。
ある商品では、販売実態のない価格として「18万7880円」と表示し、キャンペーン価格として「14万8425円」と表示していた。
違反を認定した期間は、22年10月から23年2月頃までの間。対象商品によって、違反を認定した期間が異なっている。
消費者庁によると、対象商品の一つは、22年10月4日から23年2月8日までの間に、実態のない販売価格とキャンペーン価格が、それぞれ金額を変えて繰り返し表示されていたという。
消費者庁によると、「富士通クライアントコンピューティングは、違法表示を行っている認識はなかったと話している」(表示対策課・口ノ町達朗上席景品・表示調査官)と言う。
富士通クライアントコンピューティングは6月23日、コーポレートサイトに謝罪文を掲載。「再発防止に努める」(広報部)としている。
消費者庁/実績のない売価と比較/富士通の販売会社に措置命令(2023年6月29日号)
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