スクロール 23年3月期/通販売上高4%の減収/ソリューションは15%増加(2023年5月11日号)

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 スクロールが5月9日に公表した23年3月期連結決算は、売上高が前期比0.5%減の810億1800万円だった。通販事業の売上高は同4.4%減の400億4900万円で、連結売上高の減収に影響した。通販支援を手掛けるソリューション事業の売上高は、同15.5%増の213億5900万円となり、過去最高の売上高を達成した。
 通販事業は減収だったが、ほぼ堅調に推移した。原材料価格が上昇する中、販売価格の見直しや商品調達方法の最適化に加え、在庫の適正化で原価率の低減に取り組んだ。効率的なカタログ配布や固定費の削減も図った。セグメント利益は同16.7%減の53億6400万円だった。
 ソリューション事業は、スクロール360において物流代行サービスにおける新規クライアントの稼働など、3PL戦略を推進した。キャッチボールが手掛ける決済代行サービスは、キャッシュレス決済への対応拡大や事業効率の向上に務め、好調に推移した。セグメント利益は同308・7%増となる7億2500万円となった。
 eコマース事業の売上高は、同6.4%減の200億4200万円だった。ナチュラムが手掛けるアウトドア・キャンプ商材の競争が激化し、不稼働在庫の評価損を計上した。AXESにおいては、ブランドバッグなどの需要回復の遅れが減収に影響したという。
 仕入価格や用紙代などのコストアップを、販売価格の見直しなどにより吸収した。
 販管費では広告宣伝費が増加。カタログ制作単価の上昇や冊子カタログの部数増で販促費が増えたためだ。
 連結営業利益は同12.6%減の61億2100万円で、営業利益率は同2.0ポイント減の7.6%。経常利益は同128%減の61億9100万円、当期純利益は同25.3%減の41億7000万円だった。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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