ファンケル 23年3月期/連結売上高0.4%減/通販は増収も店舗と海外が影響(2023年5月11日号)

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 ファンケルが5月9日に発表した23年3月期連結業績は、売上高が前期比0.4%減の1035億9500万円だった。化粧品、栄養補助食品とも通販は増収を達成。しかし、店舗と海外の販売が、新型コロナウイルスの影響で減収だった。小売り向けの卸販売は増収基調を維持している。
 化粧品関連事業の売上高は、同2.3%減の574億4800万円だった。このうちファンケル化粧品の売り上げは、同1.5%減の421億200万円、アテニア化粧品は同2.5%減となる134億4700万円だった。
 ファンケル化粧品は広告宣伝の強化に伴い、通販と卸売りが伸長。しかし、コロナの影響で店舗と海外は減収だった。アテニアは主力製品が好調に推移したが、中国のロックダウンの影響や現地の在庫調整で減収となっている。
 化粧品関連事業の営業損益は、売上総利益率の改善や販促費の効果的な使用に努めた。ただ、顧客基盤の拡大を狙い、広告宣伝費を積極的に使用したため、営業利益は同22.1%減の59億500万円だった。
 栄養補助食品事業の売上高は同3.6%増の398億7100万円となった。チャネル別では通販の売上高が同4.9%増の181億7600万円。卸販売他が同16.6%増の115億4100万円でともに増収だった。
 増収は広告宣伝費の強化が寄与したが、コロナの影響で店舗販売の売り上げは同11.5%減の58億2800万円にとどまった。
 発芽米の売上高は同3.4%減の19億8500万円、青汁は同5.0%減の20億500万円。その結果、その他関連事業の売上高は同6.5%減となる62億7600万円だった。
 連結営業利益は同19.7%減の78億4300万円。販促費の効率化や原価率の改善で約10億円の増益効果があったが、広告宣伝費の積極展開が減益に影響した。売上総利益率は66.8%で前期比0.3ポイント改善、売上高販管費率は59.2%となり同2.1ポイント上昇した。
 為替差益約5億円を営業外収益に計上したため、連結経常利益は同17.7%減の85億5700万円。法人税は32億4400万円で、当期純利益は同33.0%減の49億7000万円だった。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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