楽天グループ 22年12月期/国内EC流通12.3%増/三木谷社長「アマゾンより良い」(2023年2月16日号)

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三木谷浩史社長がEC事業の力強い成長を紹介

三木谷浩史社長がEC事業の力強い成長を紹介

 楽天グループ(楽天)の22年12月期における国内EC流通総額は、前期比12.3%増の5兆6301億円だった。コロナ禍の需要拡大が収まりつつある中、引き続き高い成長を維持している。三木谷浩史社長は、「アマゾンは公表していないが、(国内EC流通総額は)われわれの方が良いと推測している」と語る。
 三木谷社長は他のECプラットフォームと比較しても高い成長率であることを強調した。直近四半期の流通総額においても、Zホールディングスやメルカリ、ZOZOなどを上回る増加率だという。四半期ごとに商品を購入しているユーザーの定着率は、78.2%に拡大している。
 「ユーザーのロイヤルティーが上がってきている。39プログラムという送料無料ラインの統一だったり、サービスの向上だったりとさまざまな努力が実ってきた」(三木谷社長)と話す。
 国内EC流通総額の成長には、グループサービスとのシナジー効果があるという。特に楽天モバイルユーザー(MNO)の貢献が顕著になってきている。昨年12月の「楽天スーパーセール」の流通総額におけるMNOの占有率は23.8%に達した。
 ファッション事業の流通総額は、同10%増の1兆520億円だった。「ZOZOTOWN」の同時期の流通総額と比較すると、規模は2.5倍以上になったという。
 「国内ECについてはさまざまな分野で、すべてのEコマースを手掛けていこうと考えている。コアビジネスと成長投資ビジネスと二つに分けている。コアビジネスは営業利益が1350億円に達している。その一つの大きな要因が広告売り上げの成長だ。ここはまだ伸ばせる余地がある」(同)と話す。
 広告売上高は同15.9%増の1830億円になっている。
 楽天の連結売上高は同14.6%増の1兆9278億7800万円だった。営業損益は3638億9200万円の赤字(前期は1947億2600万円の赤字)、当期損失は3728億8400万円(同1338億2800万円の赤字)になった。モバイルへの投資が膨らみ、4期連続の赤字となった。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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