<契約書面の電子化> 「本末転倒」「承諾書面の交付は不要」/政省令案に事業者団体が反対意見(2023年1月26日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 契約書面の電子化について、複数の事業者団体が反対する声明を出している。消費者庁は22年11~12月にかけて、契約書面の電子化に関連して、特定商取引法の政省令の改正案のパブリックコメントを募集。業界団体や消費者団体から意見が寄せられたという。(一社)新経済連盟(事務局東京都)は、「社会のDXの動きに逆行する」として多くの条項の削除を求めた。(公社)日本訪問販売協会(事務局東京都)は、「あらためて、電子交付の承諾書面の交付はやめてほしい」という意見を寄せた。

■スマホにも電子交付OKに

 特商法の政省令案では、契約書面の電子化について、22年10月にまとめられた「契約書面等の電子化に向けた検討会」の報告書を基に、具体的な運用方針を定めている。
 政省令案には、報告書で示されていた通り、「消費者が契約書面の電子交付に承諾した旨を示す紙の書面を交付する」ことを、事業者に義務付けることも盛り込まれた。
 そのほか、「消費者に電子書面が到達したことを事業者が確認する」「電子書面を消費者が閲覧したかどうかを事業者が確認する」「消費者のデバイスのサイバーセキュリティーが担保されていることを事業者が確認する」─ことを義務化する項目なども盛り込まれている。
 報告書では、電子書面の交付が可能になる条件として、「電子書面の交付を希望する消費者が、書面と同等の一覧性を有する機器を有する」といったことも盛り込まれていた。
 政省令案では、電子書面の閲覧に必要な端末の画面のサイズを「4・5インチ以上」とする項目が盛り込まれた。消費者庁では、「一般的なスマホ画面のサイズを指す」(取引対策課)としている。報告書がまとまった段階で懸念されていた、「スマホ端末しか持たない消費者に電子書面の交付ができない」という事態は回避された。


■異を唱える事業者団体

 政省令案に盛り込まれた具体的な項目について、複数の事業者団体から不満の声が聞こえてきている。
 
(続きは、「日本流通産業新聞」1月26日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ