楽天、IT賞を受賞/物流システムの持続可能性が評価(2023年1月12日新年特大号)

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 楽天グループ(楽天)は12月8日、公益社団法人企業情報化協会(IT協会、本部東京都、山内雅喜会長)が主催する、第40回「IT賞」において「IT賞(サステナビリティ領域)」を受賞したと発表した。同社のカーボンニュートラルを目指す先進ロジスティクスシステム開発プロジェクトにおいて、AI技術を効果的に活用している点などが評価された。
 「IT賞(サステナビリティ領域)」は、持続可能な開発目標(SDGs)を掲げ、IT・デジタル技術の適用や実装により、(1)カーボンニュートラルへの取り組み(2)気候変動への対応(3)多様性の尊重(4)従業員の健康とウェルビーイングの実現(5)ダイバーシティ&インクルージョン─などの分野で顕著な実績を上げた取り組みを表彰している。
 楽天のカーボンニュートラルを目指す先進ロジスティクスシステム開発プロジェクトは、自社が関係するロジスティクス領域で、AI配車管理システムを構築・導入した。配車や配送ルートを最適化し、商品配送までの走行距離を削減することで、二酸化炭素の排出量を削減している。
 機械学習・自動計算において通常生じる膨大な計算量を低く抑えるため、第1段階でクラスター分別を行い、次の段階でクラスターごとに最適解を求める手法を採用した。詳細な条件を与えても短時間に解を得られるようになり、日々の配送手配に実用的に活用できるようになったという。
 同システムを導入した「楽天西友ネットスーパー」や「楽天全国スーパー」における、導入初月の実績値に基づく走行距離の削減効果は15%(年間86万キロメートル相当)、二酸化炭素の削減量は年間170トンとなる。今後、導入範囲拡大による効果のさらなる向上を見込んでいる。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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