〈23年のECモール〉 新しい「売り場作り」の動きも(2023年1月12日新年特大号)

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「楽天NATIONS」の最上位クラス「スーパーADVANCE」の初回講座の様子

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 コロナ特需が収まりつつある中においても、大手ECモールの強さは健在だ。CPO(新規顧客の獲得単価)が高まる中、改めて自社ECサイトよりもECモールを強化する通販事業者が増えている。23年も大手ECモールの動向がEC業界全体に与える影響は大きい。大手ECモールに22年末、22年の振り返りと23年の展望について話を聞いた。3大モールからは、新しい「売り場作り」を進める動きや、「店舗サポートのさらなる強化」を推進する取り組みを強化する動きが見えてきた。(関連記事を10―11面に掲載)

■楽天のSKU対応

 楽天グループ(楽天)は23年春から、ECモール「楽天市場」において、新たな商品管理(通称:SKU対応)を導入する。商品データ構造自体を変えることで、これまでできなかった売り方が可能になる。
 楽天の常務執行役員マーケットプレイス事業デピュティヴァイスプレジデントの松村亮氏は、「これまでだと色やサイズが別々の商品を一つにまとめて登録した際に価格は単一にしか設定できなかった。『SKU対応』が始まると、色別やサイズ別などで、売れ残っている商品は価格を下げて購入を促すといったことが可能になる」と話す。
 他にも、商品検索画面で色やサイズ、種類などの「バリエーション表示」が可能になったり、「単位価格表示」では複数をセット販売している商品の1個当たりの価格を表示できたりと、ユーザーにとって見やすさや買いやすさが向上する。


「ヤフー」の二つの変化

 「ヤフーショッピング」は23年、二つの大きな変更を予定している。一つ目は商品画像ガイドラインの導入、二つ目は定期購入機能のリリースだ。
 商品画像ガイドラインは当初、「楽天市場」よりも厳格な基準が発表されていたが、その後に「楽天市場」同様の文字の割合に落ち着いた。
 「定期購入機能」は「アマゾン」同様に、同じ商品ページ内に「通常購入」と「定期購入」の買い物かごを設置することができるようになる。リピート性の高い商材を持っている店舗は、「単品購入」から「定期購入」への引き上げがやりやすくなりそうだ。


■「アマゾン」を追随

 「楽天市場」は店舗ごとの独自のページを維持しつつも、「買いやすさ」の機能面では、「アマゾン」を追随している。
 
(続きは、「日本流通産業新聞」1月12日新年特大号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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