ワタミ/宅食事業が中間期で過去最高/通期で436億円を計画(2022年11月17日号)

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渡邉美樹会長

渡邉美樹会長

 ワタミの22年4―9月期(中間期)における「宅食事業」の売上高は、前年同期比22.3%増の236億6000万円で、中間期としては過去最高となった。営業利益は同124.4%増の38億6000万円だった。23年3月期の通期業績予想は過去最高の436億円を計画する。
 当期は「マーケットインへの転換」を事業方針に掲げて商品展開を拡充した。ミールキットの「パクモグ」「あっ!とごはん」、シニア向けの少量の弁当「まごころ小箱小」、低糖質のメニュー「ロカボリック」と、相次いで発売した。
 コロナ療養者向けの配食が大きく増えたことで、調理済み弁当の配食数は、前年同期比62万6000食増の3165万2000万食だった。これが20億円の営業利益の増益に貢献したという。
 販売員「まごころスタッフ」は前年同期比622人減の7458人、期末時点の拠点数は8拠点減の525だった。
 下期は、料理人とコラボした「シェフメニュー」や麺商品の提案、季節の素材を採用した「特別弁当」など商品力を高める。10月に特別弁当として販売した「もみじ御膳」は計画比35%増の2万7000食を完売。初めての取り組みとして、商品化する前に顧客に試食してもらい、その意見を献立の選定や味付けに反映させた。
 11月には、1日250円で見守りを受けられる、高齢者見守り事業「ワタミの宅食 みまもりサービス」の提供を開始した。23年1月からは新規顧客にもサービスを広げる。
 主力の6種類の弁当や健康習慣シリーズ、ミールキットなどの商品価格を23年3月末まで据え置く。食材の仕入れ値は4%上昇しているが、年金受給者が顧客のため、家計への負担を増やさないことで利用者への貢献につなげる。
 11月11日に開催した決算説明会で、今後の値上げの見通しについて、渡邉美樹会長は「宅食事業で8%の利益を確保できない状況に追い込まれた時に値上げを考えている。目安としては10~20円だ」と話した。

2万7000食を完売した10月の特別弁当「もみじ御膳」

2万7000食を完売した10月の特別弁当「もみじ御膳」

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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