ポーラ 22年1―9月期/「委託販売」売上改善/顧客減少幅縮小、ロイヤル顧客も活性化(2022年11月10日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 訪販化粧品最大手のポーラの22年1―9月期(第3四半期)の売上高は、前年同期比10.7%減の694億6200万円だった。コロナ禍のサロンへの来店客数が低調で、前期比減収となった。一方で、22年7―9月(純第3四半期)は、新規・既存顧客ともに回復傾向がみられたとしている。既存顧客の中でも、21年に年間で4回以上購入したロイヤル顧客層が、活性化しているという。
 22年1―9月期(純第3四半期)の、訪販やサロン販売を含む「委託販売チャネル」の売上高は、前年同期比12.5%減の464億7000万円だった。22年7―9月(純第3四半期)の「委託販売チャネル」の売上高は、前年同期比3%の減収にとどまっており、回復基調がみられるとしている。
 委託販売チャネルに改善がみられる理由について同社では、オンラインで獲得した顧客をサロンへと定着させる取り組みが奏功しており、顧客数の減少に歯止めを掛けられたからだと説明している。ポーラでは、サロン店舗ごとに運用している、インスタグラムなどのSNSでの発信を、強化させていった。それにより、SNSのフォロワーの総計が90万人規模にまで拡大したとしている。オンラインで直接つながる顧客リストを拡充できたことが、新規顧客の獲得に寄与したという。
 商品の面では、ポーラの最高峰ライン「B・A」シリーズが堅調だった。加えて、美白ラインの「ホワイトショット」シリーズの売り上げも好調に伸びたとしている。
 販売員であるビューティーディレクター(BD)の数は、9月末時点で約2万7000人となった。6月末時点からさらに3000人程度減少したとしている。ただ、大きく減少するフェーズは抜けたとしており、BDの数とサロン店舗数の、減少傾向は、どちらも落ち着いてきているという。
 「委託販売チャネル」では10月以降、エステの新メニューをスタートさせる予定。新製品のオンラインキャンペーンなども行っていくという。こうした取り組みを通じて、22年7―12月期(下期)の前年同期比増収を目指すとしている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ