ZOZO/初のリアル出店/服は売らず、"似合う”を提案(2022年11月10日号)

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澤田宏太郎CEOがリアル出店の戦略を紹介

澤田宏太郎CEOがリアル出店の戦略を紹介

 ファッションEC「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは11月9日、同社初のリアル店舗「niaulab by ZOZO(似合うラボ)」を都内・表参道に開設すると発表した。12月16日に開設するリアル店舗では、服を販売しない。顧客に”似合う”服をAIとスタイリストが提案し、ヘアメークや写真撮影まで提供する。「似合うラボ」で集積したデータや知見を今後のサービス強化に生かしたい考えだ。
 「似合うラボ」は「試着室に飛び込む」というコンセプトのリアル店舗。コーディネートアプリ「WEAR(ウェア)」が持つ1300万件のコーディネート情報から構築されたAIが、事前のアンケートに基づき、顧客に似合うコーディネートを3パターン提案する。さらに、プロのスタイリストが、顧客とコミュニケーションを取りながら、店舗にある700アイテムを活用し、着こなしやスタイリングを提案する。
 「AIによるコーディネート提案についてはスタッフを通してテストを繰り返してきた。AIの提案で”似合う”を提供し、スタッフを笑顔にすることができた。この成果を消費者にも提供し、『世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。』という企業理念を実現できる店舗にしたい」(澤田宏太郎CEO)と言う。
 「似合うラボ」のオープンに先駆け、11月18日午後7時からユーチューブチャンネル「niaulab TV by ZOZO(似合うラボTV)」においてコンテンツの配信を開始する。ZOZOのスタッフが出演し、モデルを招いて”似合う”のノウハウを紹介する予定だ。
 「AIとスタイリストの掛け算で、どれだけ”似合う”コーディネートを提案できるかに期待している。AIが機能すれば、最終的に『ZOZOTOWN』に導入する構想もある。スタイリストが対面だからこそ”似合う”を提案できるという判断に至れば、リアル店舗を増やす選択肢もある。反響を見ながら海外展開も考えている」(CDO室本部長「niaulab by zozo」事業責任者・大久保真登氏)と話す。
 ZOZOは創業25周年を迎えた今年5月、「ワクワクできる『似合う』を届ける」という新たな経営戦略を策定していた。7万人から回答を得たユーザーアンケートでは、回答者の82%が「着回しの悩みがある」と答えた。ユーザーの不満を解決したいという思いでリアル店舗の開設を決めたという。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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