【スペシャルティコーヒー通販】 ポストコーヒーは会員数5万人に/ファンコミュニティーで囲い込みも(2022年11月3日号)

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POST COFFEEでは「コーヒーの好み診断」サービスを提供

POST COFFEEでは「コーヒーの好み診断」サービスを提供

 近年、スペシャルティコーヒーの通販市場が盛り上がりを見せている。10月12日から14日に東京ビッグサイトで開催されたコーヒーの展示会「SCAJ2022」では、コロナ前の19年の来場者数を1万人以上上回る4万4052人が来場。本格コーヒーを中心とした、新たなコーヒーブームの到来を印象付けた。コーヒー診断によって、好みのコーヒーをサブスクで届けるPOST COFFEE(ポストコーヒー)は、10月に会員数が5万人を突破したという。ソルフレアが展開する、好きな焙煎士に焙煎を依頼できるサービス「CROWD ROASTER(クラウドロースター)」も、着実に利用者が増えているそうだ。スペシャルティコーヒーならではのECサービスも順調に利用者数を伸ばしているという。市場では、専門性の高いコーヒー器具の発売も相次いでおり、「違いが分かるファン層」をターゲットにする企業が増えているようだ。

■初心者獲得で会員数5万人に

 日本では13年頃から、本格的なコーヒーを実店舗で飲むいわゆる「サードウェーブ」と呼ばれるコーヒーブームがきたと言われている。コロナ禍で自宅コーヒーの文化が定着したこともあり、今後は「フォースウェーブ」として、自宅での本格コーヒーが定着するだろうという声も出てきている。
 20年2月にスペシャルティコーヒーのサブスクを開始したPOST COFFEE(本社東京都、下村領CEO)では10月、会員数が5万人を突破した。
 同社では、初回の申し込み時に、AIによる「コーヒーの好み診断」サービスを提供している。
 一口にコーヒーを買うといっても、「生産国」「農園」「焙煎度合い」など、選択の基準となる要素は多く存在する。「何を選んだらいいか分からない」という、ユーザーの悩みを、同サービスで解消することにより、初心者のハードルを下げ、間口を広げているようだ。
 22年4月からは、サブスクではない、コーヒー豆の通販も開始した。同通販では、ユーザーが購入する際に、自分でコーヒー豆を選ぶことができる。コーヒー初心者の「一歩先」をターゲットとしているようだ。同社では、23年8月期中の上場を見据えているという。
 ?コーヒー上級者?をターゲットにしたサービスも出てきている。
 マーケティングサービスの提供などを行うソルフレア(本社東京都、関場治朗CEO)は21年3月、好きな焙煎士にコーヒー生豆の焙煎を依頼し、購入できるアプリ「CROWDROASTE」の配信を開始した。
 同アプリでは現在、20種以上のコーヒー生豆を販売している。ユーザーは生豆を購入し、好きな焙煎士に焙煎を依頼する。クラウドファンディングのように、焙煎士への依頼が一定数集まると、焙煎をしてくれ、商品が発送されるという仕組みだ。「ターゲットはディープなコーヒー好きだ。同じ豆でも焙煎が変わると風味も変わる。これまで接点の少なかった『焙煎士』と『エンドユーザー』の距離を近づけたい」(関場CEO)と話す。


■ユーザーコミュニティーを重要視

 コーヒーECでは、ユーザーとのコミュニケーションを重要視する傾向が強い。先述のポストコーヒーは、21年にファンコミュニティーを立ち上げた。

(続きは、「日本流通産業新聞」11月3日号で)

「CROWD ROASTER」の配信を開始

「CROWD ROASTER」の配信を開始

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