【EC企業の実店舗戦略】 ”体験”重視の出店加速/新たな「顧客獲得」「商品販売」に期待(2022年10月20日号)

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ゴルフダイジェスト・オンラインの実店舗「GDO Select」のイメージ

ゴルフダイジェスト・オンラインの実店舗「GDO Select」のイメージ

 コロナ禍が沈静化に向かい、街に人流が戻りつつある中、オンラインがメインのEC企業がリアル店舗を出店する動きが出てきた。ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)は10月13日、ECサイトと連携した初の実店舗を開設した。グローバルファッションブランド「SHEIN(シーイン)」は10月22日、大阪にポップアップショップを開設する。新規ブランドの認知拡大のために実店舗を活用するケースも多い。各社は実店舗で”体験”を重視したサービスを用意し、新たな顧客の獲得や、新たな商品の購入を促したい考えのようだ。

■GDOが初の実店舗

 ゴルフダイジェスト・オンラインは10月13日、東京・秋葉原の「ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba」にある、ゴルフ用品やゴルフ練習場などを備えたスペース「アクティブAKIBA」内に、実店舗「GDO Select(ジーディーオーセレクト)」を開設した。
 「加賀スポーツさんが運営する『アクティブAKIBA』は、大型のゴルフ用品店やゴルフ練習場がある施設。『GDO Select』では、他でも買える大手メーカーのアイテムではなく、自社オリジナル商品や流通量が少ないブランドをそろえている。特色が異なるため、加賀スポーツさんとも『相互送客しましょう』と話している。アクセスやゴルフ愛好家の方との接点を考えて、出店場所を決めた」(リテールビジネスユニット ユニット長坪井春樹氏)と話す。
 同社は中古ゴルフ用品の買い取り販売を行う「ゴルフガレージ」を関東で6店舗展開しているが、ECサイト「GDOショップ」と連携した実店舗は初めて開設した。


■希少なアイテムを提供

 バイヤーがセレクトした海外ブランドのクラブや、少数生産の「地クラブ」と呼ばれる中小メーカーのアイテムなどをそろえた。
 「メーカーさんの要望でECサイトでは取り扱うことができないアイテムも実店舗なら販売できる。ECサイトでは埋もれてしまうような高品質で希少性高いアイテムも、実店舗なら魅力を伝えることができる。試打やカスタムもできるため、アイテムの良さを実感して購入意欲を高めてもらいたい」(同)と話す。
 開設から数日の集客状況に手応えは感じているというが、新しいブランドの魅力の伝え方は、まだまだ試行錯誤が必要だという。今後、キャディバッグのペイントイベントなどを開催し、実店舗ならではの楽しみを提供し、利用者の増加につなげたいという。
 今回の1号店はテスト的な意味合いも強い。運営状況を分析しながらも、将来的に全国の主要都市に実店舗を設けたいという考えもある。


■撮影場所やガチャを用意

 中国発祥のグローバルファッションブランド「SHEIN(シーイン)を日本でEC展開するロードゲットビジネス(本社シンガポール)は10月22日、大阪・心斎橋にポップアップショップ「SHEIN POPUP OSAKA」を開設する。デイストの異なる試着室を9室設け、約800点の中から好きなアイテムを試すことができる。23年1月27日までの3カ月間の期間限定店舗となっている。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月20日号で)

「SHEIN」のポップアップショップではフォトスポットを7カ所用意

「SHEIN」のポップアップショップではフォトスポットを7カ所用意

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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