ジャノメ/訪問販売から撤退へ/68直営店閉鎖、従業員300人も退職(2022年10月13日号)

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 日本初の国産ミシンメーカーで、家庭用ミシンを訪問販売するジャノメが23年3月で訪問販売から撤退する。68直営支店は全て閉鎖し、雇用契約している直営支店の従業員約300人も退職する。訪販からの撤退後は代理店の開拓を強化するとともに、学校販売に注力していく。
 同社は1921年に創業し、当時は高額だった家庭用ミシンの普及を図るため、月掛予約や月賦販売という手法を創案。訪問販売で事業を拡大してきた。しかしミシンの低価格化や販売チャネルの多様化、さらにはクレジット決済が一般化したことで、事業の収益環境は悪化の一途を辿っていた。
 国内のミシン市場は有望視しているものの、訪問販売のビジネスモデルは機能しなくなったと判断し、撤退を決めたという。退職する従業員に対しては、割増退職金を支払いや再就職支援を行う予定だという。
 直営店の閉鎖後、これまで直営店で商品を購入した顧客に対してのアフターサービスは、グループ会社のジャノメサービスが行うという。
 今後の国内市場の開拓は代理店営業、学校販売を強化する計画だ。代理店の販売方法に制約は設けないとしている。学校販売については、国内営業部から組織を独立させる形で新たに、学校販売部を設立する。家庭科授業へのサポートを強化し学校との連携を深めていく方針だ。
 パイロットショップの「Bobinage(ボビナージュ)」の多店舗化も促進する。23年2月に川崎市、5月には神戸市に新規出店を予定している。店舗では「手作りは楽しい」という経験の提供の場を広げ、ミシンユーザーの拡大を図りたい考えだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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