ポーラ/ジェンダーの講義に登壇/及川社長が自身のキャリアを語る(2022年9月29日号)

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及川美紀社長

及川美紀社長

 化粧品訪販最大手のポーラ(本社東京都)の及川美紀社長は9月17日、ジェンダー課題の解決に向けた活動を行う任意団体「GENGOURAGE(ジェンカレッジ、以下ジェンカレ)」が実施するオンライン講義に登壇した。及川社長は、自身がポーラに入社して社長に至るまでのキャリアアップの経験について語った。ポーラの行っている「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I、※参照)」の取り組みについても、披露した。
 「ジェンカレ」は、ジェンダー課題に関心を持つ若者に対して、22年5月からオンライン講座を提供している。講座は全14回となっており、及川社長の講座は11回目となった。
 及川社長は、22歳でポーラに入社後、結婚を機に、埼玉の販社に出向した。販社で18年間、ポーラの販売員やオーナーのサポート業務に従事した後、本社の商品企画部長に就任。事業責任者などを経て、役員に就任。社長となったという。
 及川社長は、販社時代に昇格試験に落ちたことがきっかけで、グレてしまった経験を語った。「当時私は『販社の仕事は私がいないとまわらない』という幸せな誤解をしていた。それによって昇格試験で『自己中心的』『昇格したい理由が不明』という評価を受けてしまった」と話した。
 「『会社は私のことを分かってくれない』と思い、上司にも反抗的な態度をとっていた。そこで、当時のグランドオーナーが喫茶店で厳しく諭してくれた。期待してみてくれている人の存在に気付いた」と語った。
 及川社長は、当時のポーラの上司が、世間の中では珍しく、男性・女性に関係なくチャンスを与えてくれていたことも好機につながったと語った。
 「リーダーは不完全でもいいと思う」「諦めない人に会社は期待する」「『ギブ&テイク』でも、ギブ10回でテイク1回だと思った方がいい。縁を大事にすべきだ」などと、自身のキャリアアップで感じたことを話した。
 学生からは、「ポーラの販売員であるビューティーディレクター(BD)はなぜ、個人事業主という形態なのか」という質問がされた。
 及川社長は、「出産後の育児中の女性を雇用してくれる会社は多くはない。BDは、ローリスクで始められる一方で、売り上げの分だけリターンもある。ただ、力がないと厳しい面もある」と話した。


 ※ダイバーシティ&インクルージョンとは…性別、年齢、障がい、国籍などの外面の属性や、ライフスタイル、職歴、価値観などの内面の属性に関わらず、それぞれの個を尊重し、認め合い、いいところを生かすことをいう。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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