全国直販流通協会/夏季コンプラセミナー/改正法中心に、3部構成で実施(2022年7月21日号)

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 (一社)全国直販流通協会(以下、直販協、事務局東京都、亀岡一郎理事長)は7月15日、会員およぼ非会員を対象に夏季コンプライアスセミナーをオンラインで開催した。セミナーは、改正法への対応を中心に、3部構成で行った。
 第1部は、さくら共同法律事務所の千原曜弁護士による講演で、「改正消費者契約法についての解説」「改正特定商取引法への対策」「近時の行政処分事例に学ぶ」などを話した。
 改正消費者契約法については、22年5月に成立した改正によって、契約の取り消しが主張できる三つの取消権が追加されたことについて説明した。「勧誘することを告げずに退去困難な場所に同行して勧誘した場合」「威迫する言動を交えて相談することを妨害する行為があった場合」「契約前に目的物の現状を変更し、原状回復を著しく困難にした場合」の三つの勧誘行為が対象となると説明。具体例として、「化粧品の販売目的であることを伏せて格安旅行ツアーを企画し、旅行先で化粧品の販売を行うケース」「健康食品の販売目的であることを伏せて、無料のマッサージ体験として足腰の弱い高齢者を車で迎えに行き、店舗に同行して健康食品の勧誘を行うケース」などの事例を挙げた。
 改正特商法においては、クーリング・オフの電子化や通信販売における最終確認画面とダイレクトセリング業界における通販事業について話した。NB(ネットワークビジネス)の主宰企業も、通販事業に取り組む会社が増えたこともあり、通販において定期購入ではないように誤認させる表示などに対しては直罰化されたことを改めて強調した。
 第2部は、プライバシーポリシーから学ぶ改正個人情報保護法について、高野裕之弁護士と千原弁護士の2人が説明した。個人情報保護法の成立と施行について説明したのち、急増する情報漏えい事件について言及した。NB主宰企業では、上位の会員が傘下の会員に対して、個人情報を提供する場合、上位会員自身も、個人情報取扱事業者になることを伝え、個人情報保護法を順守する義務を負うことになると説明した。
 また、22年4月から改正法が施行されるなかで、20年12月に法定刑が引き上げられていることについても言及。委員会による命令違反や、委員会に対する虚偽報告などに対する法定刑が引き上げられ、改正前は法人の罰金刑の場合、命令違反で30万円以下、データベースの不正提供が50万円以下だったが、それぞれが1億円以下と大幅に引き上げられたことを話した。
 第3部では、ヘルスビジネスメディア(本社東京都)の木村忠明代表取締役が「コロナ及びウクライナ戦争による健康食品市場の影響」について講演した。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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