アスクル 22年5月期/売上・利益とも過去最高/オフィス用品の需要減をカバー(2022年7月14日号)

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 アスクルの22年5月期における売上高は前期比1.5%増の4285億1700万円だった。営業利益は同2.8%増の143億900万円、経常利益は同3.0%増の142億7000万円、当期純利益は同18.7%増の92億600万円になった。オフィス用品の需要減を日用品やMRO(間接材)でカバーし、売上高・利益とも過去最高を達成した。
 主力のBtoB事業は、売上高が同0.8%増の3480億2500万円、営業利益は同15.4%減の170億円だった。
 手指消毒液やマスクなどの新型コロナウイルス感染対策商品、働き方の変化によるオフィス用品などの売り上げは減少した。一方、生活用品商材、EC需要の増加による梱包資材などのMRO商材、ロングテール商材などの売り上げが伸長したことで、BtoB事業全体は増収になった。
 「LOHACO」を中心としたBtoC事業の売上高は、同3.0%増の706億7300万円だった。営業損益は24億円の営業損失(前期は41億円の営業損失)になった。
 自社ECサイト「LOHACO本店」は21年6月、ヤフーが提供するシステム基盤に移行し、リニューアルオープンした。グループ会社のソフトバンクやヤフーと連携した大型販促を定期的に実施することで売上高を伸ばしている。「LOHACO」の売上高は、同2.8%増の543億3000万円だった。
 ロジスティクス事業の売上高は、同17.6%増の90億3000万円だった。営業損益は3400万円の損失(前期は11億円の損失)になった。子会社のASKUL LOGIST(アスクルロジスト)が、物流業務の受託件数を伸ばしている。前期は物流業務受託の準備期間に係る物流センター賃料などが先行して発生していたが、物流受託売上高が増加したことから営業損益は大幅に改善している。
 23年5月期の売上高は、同6.3%増の4555億円を計画している。営業利益は同1.3%増の145億円、経常利益は同0.2%増の143億円、当期純利益は同2.1%増の94億円を目指す。
 BtoB事業の品ぞろえをさらに拡充し、より幅広い業界の事業者に利用を促していく。購買データを一括管理できる法人向けサービス「ソロエルアリーナ」のオープン化を進めており、さらに法人が利用しやすいサービス改善を進める。
 「LOHACO」はZホールディングスとの連携を進め、さらなる売り上げ拡大と黒字化達成の実現を目指す。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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