〈住設訪販〉 異例の同日5社の行政処分/消費者安全法に基づく公表も(2022年7月14日号)

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消費者庁は6月30日、新生ホームなどの行政処分を発表した

消費者庁は6月30日、新生ホームなどの行政処分を発表した

 消費者庁は6月30日、外壁塗装や住宅リフォームの訪販大手、新生ホームサービス(本社兵庫県)と新生ビジネスパートナーズ(本社兵庫県)の2社に対し、特定商取引法に基づき9カ月間の業務停止命令を出した。同日付で、外壁塗装の訪販会社3社に対しても、消費者安全法に基づいて社名公表の注意喚起を行った。住設訪販5社が一度に消費者庁から処分を受けるのは異例。住設訪販業界への影響は大きく、各社は社内の法令順守の再徹底に取り組んでいる。住設業界全体は、脱炭素社会実現を目指す政府からの成長投資が活発だ。成長が見込まれる業界に社内のコンプライアンス強化が求められる。

■迷惑勧誘目立つ

 消費者庁は6月29日付で、新生ホームサービス(新生ホーム)と新生ビジネスパートナーズ(新生ビジネス)に9カ月間の業務停止命令を出したほか、新生ホームの取締役と新生ビジネスの代表取締役を兼任する吉都紀太介(きつきだいすけ)氏に、9カ月間の業務禁止を命じた。
 新生ホームへの消費者相談は「しつこい」「強引」という迷惑勧誘が多かったと、消費者庁は指摘している。
 消費生活センターに寄せられた新生ホームなどの相談件数は18年度が86件、19年が138件、20年が123件、21年が29件、今年は5月末までの集計で5件だった。20年から21年にかけて、相談件数が減少したことについて、消費者庁は「営業を縮小する方向に入った可能性がある」とみる。消費者庁が確認した契約金額は平均で162万円、最高は約521万円だった。新生ホームの21年3月期の売上高は約127億円。
 2社は連携して事業を行っている。新生ビジネスが営業手法の各種マニュアルを作成・配布している。営業方針などについては新生ホームと共同で意思決定していたとしている。


■特商法違反4項目

 認定された特商法違反は「勧誘目的等の明示義務違反」「再勧誘」「不実告知」「迷惑勧誘」の4項目だった。
 消費者庁の発表によると、「勧誘目的等の明示義務違反」では、19年11月以降、消費者の勧誘に先立って「ご地域でお世話になっている工務店ですが、新しい担当なのでご挨拶とお願いに、回らせていただいています」などと告げるだけで、勧誘目的を明らかにしていなかった。
 消費者が断っているのにもかかわらず、「いくらぐらいになるか、1回見るだけでも見てもらえないですか」などと再勧誘をしていた。

(続きは、「日本流通産業新聞」7月14日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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