〈化粧品訪販各社〉 新商品や新資格でコロナ後に備え/オンラインと対面をつなぐ取り組みも(2022年6月23日号)

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シーボンはサロン店舗ごとのインスタグラムの投稿を強化

 化粧品訪販各社は、アフターコロナに向けた事業戦略の構築を進めている。各社の戦略の共通項として挙がるのが、「商品」「デジタル(オンライン)」「販売員育成」─の三つだ。健康志向や、マスクの着用習慣を意識した商品開発を、各社では進めている。ポーラやシーボンのように、オンラインでの新規顧客獲得に成果が見え始めている企業もある。そうした企業では、オンラインと対面販売をシームレスに結ぶ手段の構築が進んでいる。販売員育成の側面では、ヤマノビューティメイトやヤクルト本社などが、新たな資格制度・研修制度の導入を進めている。「デジタル」×「商品開発」や、「デジタル」×「資格取得」のように、複数のキーワードにまたがる施策を実施する企業も多いようだ。

■スキンケア+αを開発

 化粧品訪販市場では、コロナ禍で落ち込んだ売り上げが回復しつつあると感じている企業が多いようだ。「21年の対面販売の売り上げ全体では、コロナ前の8割程度に回復した」という企業もある。「スキンケアの売り上げは持ち直している」「健康食品の売り上げはコロナ前より、伸びている」といった声も、よく聞かれるようになっている。一方で、「メーク品はいまだに回復しない」と感じている化粧品訪販企業も多いようだ。
 コロナ禍の健康志向の高まりから、健康食品の売れ行きが伸びたという企業は多い。特に、中高年の顧客が多い訪販化粧品市場では、そうした傾向が顕著にあるようだ。
 そんな中、ナリス化粧品(本社大阪府)では4月以降、「記憶のサポート」と「中性脂肪ケア」「歩行ケア」「睡眠ケア」の機能性表示食品を立て続けに発売した。顧客の健康志向の高まりを売り上げの拡大につなげるための商品ラインアップの拡充だとみられる。
 エフエムジー&ミッション(本社東京都)でも、21年12月期の健康食品の売上高が、前期比で10%増加したという。同社では22年7月以降も、ニーズの高いインナービューティーをケアする健康食品のラインアップの拡充を進めていく考えだ。
 一方、メーク品の売り上げ減少は深刻だ。
 化粧品訪販最大手のポーラ(本社東京都)では、「メークをしながら日中でもスキンケアができる」というコンセプトで、メーク品のラインアップの拡充を進めている。
 3月1日には、ポーラ最高峰ブランド「B・A」から、「リキッドファンデーション」を発売した。8月には、同ブランドから、ポーラ初の「クッションファンデーション」を発売する。
 いずれも、美容成分を独自の処方で配合している。「マスクで落ちづらいファンデーションが、日中でも肌の保湿をケアする」のだという。
 同社の「リキッドファンデーション」は、高い機能性が顧客から評価され、発売前の計画よりも売り上げが伸びているという。
 同社では「リキッドファンデーション」や「クッションファンデーション」を、「B・A」の主力のスキンケア製品である「ローション」へと引き上げるための入り口商品として位置づけている。「ローション」に引き上げると、顧客の継続率が10%高まるというデータもあるのだという。


■美容サイト経由の顧客獲得進む

 コロナ禍の中、サロンへの集客方法も大きく変わってきている。ポーラやシーボンなど、フェイシャルエステサロンを展開している企業からは、「『ホットペッパービューティー』などの美容サイト経由の新規顧客の獲得が進んでいる」といった声がよく聞かれるようになっている。ヤクルト本社でも、エステサロンへの新規顧客の集客に「ホットペッパービューティー」を活用する販売店が増えてきているという。
 シーボンによると、コロナ禍の中、自宅で、ウェブを使ってエステサロンを探そうとする顧客が増えているのだそうだ。これまでのイベント集客では知り合えなかった層の人たちに、美容サイトを通じてリーチできるようになっているとしている。
 シーボンでは、美容サイトと、自社のウェブチャネルを連動させる取り組みを進めている。同社ではこのほど、自社のスマホアプリと、「ホットペッパービューティー」の予約システムを連動させた。「ホットペッパービューティー」でシーボンのサロンに予約した顧客の情報が、シーボンのスマホアプリにも自動的に反映されるようになったという。
 シーボンでは、5月1カ月間のホットペッパービューティー経由の、全国のサロンの予約件数が、前月比64%増の280件となったという。今後も、外部の美容サイトとの連携を強め、美容サイト経由の新規顧客獲得を進める考えだ。
 ポーラでは、EC顧客をサロンへと誘導する取り組みを進めている。21年からは、公式ECサイトを訪れた顧客に対して、サロン店舗が実施するオンラインワークショップへの参加を促している。ワークショップに参加したEC顧客を、サロン店舗の顧客として定着させるための施策だという。
 3月には、ECサイトでの購入を促した販売員に、売り上げ実績が自動的に加算される仕組みを導入した。「ポーラの商品は欲しいけれどサロンにはいきたくない」という顧客に対して、販売員が、オンラインでのコミュニケーションを通して、ECでの購入を勧められる仕組みになっている。
 ポーラでは、

(続きは、「日本流通産業新聞」6月23日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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