シニアライフクリエイト 〈離島への出店を加速〉/高齢者のニーズ対応で社会に貢献(2022年5月26日号)

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宮古島店の外観

宮古島店の外観

 「宅配クック ワン・ツゥ・スリー」をフランチャイズ(FC)展開するシニアライフクリエイト(本社東京都、高橋洋社長)は、離島へのフランチャイズ(FC)店舗を出店、営業展開を強化している。5月1日に北海道利尻島、5月16日には沖縄県宮古島に相次いで出店した。離島への出店は8店舗目となる。22年2月期は離島に出店する6店舗の平均食数の前年比が150%増となるなど、大幅に伸長しているという。今後も全国各地で空白地域のない配食事業を目指す考えだ。

 離島での配食事業を行うには、人件費などの費用がかさむという課題がある。しかし「食事に困っている高齢者がそこで暮らしているのであれば、住んでいる場所を区別することなく、1人でも多くの人に届け、見守りを行い、住み慣れた場所で安心して長く健康に暮らして欲しい」(同社)と積極的に出店。こうした方針がその地域のFCオーナーの考えと一致し、離島で暮らす高齢者に役立つサービスを行うことで在宅配食の需要に応えている。


■沖縄県宮古島

 島内で喫茶店を営んでいるFCオーナーは、コロナ禍の影響で店内飲食を中止し、主にテークアウトで弁当を販売していた。多くの客は工事現場で働く作業員だったが、なかには高齢者からの注文もあったという。
 高齢者からの注文に全て応えられないもどかしさがあり、島内の高齢者の食事に関する悩みを解決したいと考えたことがオープンのきっかけとなったという。
 現在は、大神島を除く全地域で配達可能にした。オープン後は、島内の配食数を増やしながら、シニアライフクリエイトが運営するサロン「昭和浪漫倶楽部」も行う計画だ。


■北海道利尻島

 「離島が好き」というオーナーは、21年に沖縄県から利尻島に移住した。島内には飲食店が少なく自身も不便さを感じていたが、出会う高齢者の生活に栄養バランスの整った食事の必要性に気づいた。そこで、以前沖縄県で「宅配クック ワン・ツゥ・スリー」の経営に携わっていた知人に、経験を活用できないかと尋ねたことがオープンのきっかけだという。
 利尻町では役場と連携し、80歳以上の高齢者、もしくは要介護認定・要支援認定者で、利尻町が配食サービスを必要と認めた人に対して、食事を宅配する業務委託契約を今年4月に締結、オープンを迎えた。
 今後は、利尻富士町でも行政と連携した配食サービスを導入できるよう活動する。また、隣の離島である礼文島への配達や、地元の会社関係の人にも高齢者に限らず楽しめる弁当の仕出し配達を提案する予定だ。


■「昭和浪漫倶楽部」土佐清水店

 地域の高齢者と子どもが交流できるサロン「昭和浪漫倶楽部」を4月1日に高知県土佐清水市にオープンした。
 土佐清水店はこども食堂と連携して月1回開催。月に2回、朝7時からモーニングの提供や、学校が早く終わる水曜日に子供たちを預かる見守り支援、高齢者宅を訪問し会話・参加機会を増やしてフレイル予防を強化する取り組みを実施する。ほかにも手芸教室や体操・ヨガ、お花アレンジメント、お出かけイベント、菜園などを計画しているという。

利尻島店の外観

利尻島店の外観

オープニングセレモニーのようす

オープニングセレモニーのようす

餅まきも行われた

餅まきも行われた

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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