最高裁判所/ファビウス勝訴が確定/定期通販広告の差し止め訴訟 (2022年4月7日号)

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争点となった定期通販の広告表示

争点となった定期通販の広告表示

 最高裁判所は3月31日、NPO消費者被害防止ネットワーク東海(Cネット、本部愛知県、杉浦市郎理事長)による、フルーツ青汁のファビウス(旧メディアハーツ、本社東京都、片岸憲一代表)への広告差止請求訴訟において、原告側の請求を棄却する判決を言い渡した。これによりファビウス側の勝訴が確定した。
 訴訟の争点となったのは、ファビウスが販売するフルーツ青汁の定期通販「ラクトクコース」のウェブ広告表示。Cネットは、初回購入時の割引額や契約条件の表示が、消費者に1回だけの契約・購入と誤認させるものとし、景品表示法に違反する有利誤認表示にあたると主張。表示の差し止めを求めた。
 最高裁は、名古屋地方裁判所の一審(19年12月)、名古屋高等裁判所の二審(21年9月)に続き、当該の広告表示は有利誤認表示にあたらないとして、上告を棄却した。
 ファビウスは一審から確定判決に至るまで、自社の主張が全面的に認められたものとしている。4月5日、判決内容の公表とともに「適切なご判断をいただいたことに深く感謝いたします」と自社サイト上でコメントした。
 Cネットは、ファビウス側の勝訴を事実とした上で、「現在は最終的な報告に向けた公表資料を内部で調整している段階」(Cネット)と詳細のコメントを控えた。「本件は結審となったが、定期通販の広告表示に関する消費者相談は依然として多い。引き続き動向の注視と消費者被害の防止に向けた取り組みに努めていく」(同)としている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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