やずや/新CRMシステムを披露/来年から本格稼働 来春には他社へ開放

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新システム開発の経緯を語る矢頭社長

新システム開発の経緯を語る矢頭社長

やずや(本社福岡県、矢頭徹社長)は9月8日、来年から本格稼働を目指す新たなCRMシステムの発表会を開催した。03年から稼働している現行システムを刷新。サービスレベルを向上させながらも、システムにかかる負荷を軽減するのが狙いだ。さらに、やずやの単品通販のノウハウを詰め込んだ「やずやモデル」の新システムを他社に開放する方針も明らかにした。同システムの構築を担うNECが来春から販売を開始するという。

年末にリニューアル

 やずやの矢頭社長は「年末にCRMシステムをリニューアルする」ことを明らかにし、来年には本格稼働させると発表した。
 今回発表したCRMシステムは(1)顧客管理(2)受注管理(3)出荷管理(4)売り上げ管理(5)請求管理(6)お問い合わせ管理(7)返品管理(8)入金管理(9)ウェブ連携(10)共通マスタ管理─などの運用に対応する。自社サイト運営や在庫管理、CTI(電話とコンピューターの統合)、返金業務に係るシステムは変更しないという。
 現在のシステムは03年3月から稼働している。やずやがまだ年商5億円規模だった時代に、1億円かけて構築した。事業環境の変化や新たなサービスを実現するために、幾度となくシステムの増築・改装を続けてきたという。システム稼働から12年以上が経過し、「『ハウルの動く城』のように不細工になってきた」(矢頭社長)と話す。
 同社は現在、システム運用に7人の社員を割いている。システム会社からの出向社員を加えるとシステムに携わるスタッフの数はさらに増える。
 「新システムを稼働させることにより、サービスはより細かく実施しながらも、システム人員は軽減できるようにしたい」(同)と語る。


変化に臨機応変に対応

 やずやは現在も、きめ細かなサービスや販促施策を実施している。
 例えば、送料を変えた3種類のDMの効果を測定する際、コールセンターでは顧客が受け取ったDMによってトーク内容を変えている。どのDMを受け取った顧客かを判別すると、コンピューターはその顧客に合わせたトークスクリプトを表示し、オペレーターはそれを元に顧客対応している。
 ただ、こうした取り組みの頻度を増やしたり、サービス内容にさらに工夫を加えようとすると、システム部の社員にかかる負担も大きくなる。
 同社はこの半年間で販促物のテストを220パターン以上実施している。新システムを導入すると、人員を増やさずとも、こうした施策を、現場レベルで臨機応変に実行できるようになるという。「現場のアイデアをすぐに検証できるようになれば、ストレスなく販促施策に挑戦できる」(やずやグループ未来館情報システム部・西田昇二部長)と話す。

続きは「日本流通産業新聞」9月17日・24日合併号で)

未来館情報システム部の西田昇二部長

未来館情報システム部の西田昇二部長

未来館の西野博道社長

未来館の西野博道社長

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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