ＴＯＲＩＣＯ／３月、マザーズに上場へ／「漫画全巻ドットコム」など運営 （2022年2月24日号）

　漫画関連の各種サービスを手掛けるＴＯＲＩＣＯ（トリコ、本社東京都、安藤拓郎代表取締役）は３月２３日、東証マザーズ市場へ新規上場する。コロナ禍による巣ごもり需要の影響などで売り上げを伸ばす中、「漫画全巻ドットコム」など既存のＥＣサービスを軸に国内外での事業領域拡大を進めていく。
　ＴＯＲＩＣＯは０５年、スニーカーの製造販売事業を目的に設立した。０６年８月、漫画の全巻売りＥＣサイト「漫画全巻ドットコム」を開始。以降は、紙・デジタル双方での漫画の販売、電子コミックの配信サービス運営、サイン会や原画展示を行うイベントスペースの運営といった事業を手掛ける。
　主力サービスは「漫画全巻ドットコム」、女性向け漫画販売「ホーリンラブブックス」、男性向け漫画販売「マンガ王」といったコンセプトの異なるＥＣサービス。「漫画全巻ドットコム」の会員数は２１年末時点で４４万１２８４人となっている。
　２１年３月期の売上高は、前期比５７．２％増の４９億９１１７万円だった。コロナ禍による漫画のまとめ買い需要の拡大も追い風に、大きく業績を伸ばしている。今期の売上高は、２１年４―１２月期（第３四半期）の段階で４０億９００７万円となっている。
　上場による調達資金は、エンジニアの増員や在庫拡充に向けた運転資金に充てる。今後、各サービスのデータベースを連携・活用した相互送客や、自社物流倉庫の機能強化、中国などアジア圏を中心とした海外でのイベント事業強化を推進していく計画だ。