【ヤマダデンキ 後藤賢志インターネット事業部長】 <楽天SOY総合グランプリに> 家電EC後発ながら急成長見せる(2024年3月7日号)

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 楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー(SOY)2023で総合グランプリに輝いたヤマダデンキ。家電量販店のECの中では後発でありながら、近年EC事業は急拡大している。23年3月期のEC売り上げは前期比15%増、24年3月期も2桁増収のペースだという。全国にある、多数の実店舗と連携した、配送やアフターサービスは、同社の最大の強みとなっている。実店舗の多さから来る知名度と、母体の大きさを生かした、価格力・出荷力・在庫力が、同社の大きな武器となっているようだ。SOYで総合グランプリとなった楽天市場での展開を含め、ECでの取り組みについて、インターネット事業部長の後藤賢志氏に話を聞いた。

 ─総合グランプリの受賞要因についてどう考えていますか。
 楽天市場で売れた結果が受賞とは考えていますが、楽天の担当者を含め、ずっと狙っていた賞でした。楽天の担当者の性格を考えると、あまり表に感情を出すタイプではないため、普段はひょうひょうとやっているように見えていました。ですが、受賞が決まった瞬間は、感情を抑えきれていないようでした。
 企業として収益を考えれば、モールの売り上げを伸ばすより、自社ECの売り上げを伸ばすほうがいいのは当然のことです。ですが、「モールだから売れる」といった商品ももちろんあります。そんな中、「何を売っていくのか」をしっかりと意識していくことが重要だと考えています。


■楽天重視の販促も

 楽天以外のモールの販促が弱いと感じたことも、楽天市場での売り上げが伸びた要因だと思います。
 顧客の中には、「モール慣れ」している人も多いと思います。そういった顧客を自社ECに誘引するのは難しいことです。「このモールが難しいなら、こちらのモールで買ってもらおう」と言うように、販促の方向性を考えていました。モール全体で使える販促費の内訳を変え、増収が見込めるモールの比率を高めた形です。
 家電はアパレルと違い「何かいいものないかな」と、サイトを訪れるケースは少ないと思います。そんな中、

(続きは、「日本ネット経済新聞」3月7日号で)

<プロフィール>
ごとう・けんし氏
 1968年10月27日生まれ。山形県鶴岡市出身。09年にヤマダグループに入り、21年7月1日付でヤマダデンキ入社。21年7月16日、インターネット事業部長に着任。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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