【yutori 片石貴展社長】 <アパレル企業で最年少上場> SNS巧みに、Z世代向けブランドで急成長(2024年1月25日号)

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 複数のストリートブランドを展開するyutori(ユトリ)は23年12月27日、東京証券取引所グロース市場へ上場した。片石貴展社長は現在30歳で、国内アパレル企業の経営者の中では、最も若くして株式上場を果たした。片石社長は「上場がゴールではない。今後も荒削りな若者ブランドを買収したり、アパレル以外の商材へ進出したりして、さらにyutoriを大きくしていく」と意気込んでいる。片石社長に上場までの経緯や事業モデル、今後の展望などについて聞いた。

■目標通り30歳で上場

 ─国内アパレル企業において、最年少社長での上場となった。もともと30歳で上場すると決めていたのか。
 自分が30歳になる23年までに上場すると決めていた。20年にZOZO(ゾゾ)にグループ入りしたときに、本格的にこの時期での上場を目指した。
 ─売り上げの推移を見ると、22年3月期が16億3100万円、23年3月期が24億7000万円だった。19年3月期が1600万円だったことから、この5年間で急成長を遂げている。要因は何なのか。
 近年でいうと、ブランドを吸収し、それを多くの”面”で販売したことが良かったのだろう。
 当社は「ハグレモノをツワモノに」というメッセージを掲げている。ファッションブランドをまとうことで、未知の才能を持つ”ハグレモノ”が、そのズレを強さに反転できることを目指している。
 18年に創業し、その後、22年にはファッションブランド「F―LAGSTUF―F(フラグスタフ)」を取得した。さらに同年、「Younger Song(ヤンガーソング)」など八つのブランドを展開するA.Z.Rも吸収合併した。
 ECでの販売だけではなく、実店舗も全国に13店舗(23年9月時点)展開しており、顧客との接点を増やしたことが、売り上げの拡大につながったと考えている。


■売上拡大の三つの軸

 ─貴社の事業を見るとブランドの吸収だけでなく、SNSマーケティングにも秀でている印象がある。このことも売り上げ増加に寄与しているのではないか。
 確実につながっている。当社の事業としての強みは、主に(1)「NICOモデル」(2)SNSマーケティング(3)自律分散型ブランド運営─だ。

(続きは、「日本ネット経済新聞」1月25日号で)

<プロフィール>
 93年生まれ。モバイルゲーム事業などを手がけるアカツキを経て、17年12月にインスタグラムで古着に特化したメディア「古着女子」をスタート。18年4月にyutoriを設立。23年、東京証券取引所グロース市場へ上場。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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