【増米商店 橘高友樹代表】 <23年8月期の売上は約50億円> 成長よりも原点回帰重視の1年に(2023年9月14日号)

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 「楽天市場」などでカニの販売を行う増米商店(本社福井県、橘高友樹代表)の23年8月期の売上高は、約50億円だった。「タラバガニ」などの主力商品に加えて、「ジョナクラブ」などの販売にも苦戦した。橘高代表は「今年は今一度、原点に立ち戻り、主力商品をきちんと販売していきたい」と話す。橘高代表に今期の年末年始商戦の計画を聞いた。

■年末商戦は苦戦

 ─今年の年末年始商戦が間近に迫ってきている。改めて前期の取り組みについて伺いたい。
 前期の年末年始商戦(22年11月―23年2月)は苦戦した。その理由としては、「タラバガニ」や「本ズワイガニ」などの日本人が好きなカニの仕入れ価格が高騰したからだ。高騰した仕入れ価格を販売価格に転嫁したが、やはり価格が上がると顧客からの購入につながりにくいこともあった。
 毎年、年末には「タラバガニ」などの人気商品を数種類詰め合わせたセット商品を販売している。前期の年末年始商戦では、その商品を1万5000円程度で販売したのだが、顧客はそれよりも2000~3000円安い価格での購入を求めていることが分かった。
 どこかの会社と調査をしたわけではないが、顧客のコメントや反応を見ると、私の感覚でそのようなことを実感した。
 ─前期の年末年始商戦では、「南タラバガニ」や「ジョナクラブ」などの商品も発売した。手応えはどうだったか。
 特段、多くの顧客から購入されたということではない。「南タラバガニ」は南米で獲れることができるカニだ。タラバガニよりも安く仕入れることができる。「ジョナクラブ」はカナダの大西洋から米国のノースカロライナ州に生息するカニで、この商品も少し安い価格で仕入れることができる。
 ただ振り返ると、販売数というところでは少し振るわなかった。なぜ振るわなかったのか。これは仮説で、今回の取材を通じて感じたことだが、国内でカニを購入する人は、1年のご褒美としてカニを食べる。やはり「タラバガニ」や「本ズワイガニ」など、高級品を食べたいと思うのが一般的だろう。
 家族全員で鍋を囲み、カニを食べる。そのようなときは、やはり一般的に知られているカニを食べたいようだ。このことから、昨年の年末年始商戦において、「ジョナクラブ」などの商材の販売が振るわなかったと感じている。
 ただ、一定数の需要もある。若い夫婦などには、「ジョナクラブ」や「南タラバガニ」などの商品は最適だ。


■人気商品の確保に注力

 ─今期の年末年始商戦はどのような戦略を取っていくのか。
 今年は「タラバガニ」などの人気商品の仕入れ価格は、昨年に比べると下がった。昨年は米国において、消費を促進するための給付金が国民に支給され、結果として、多くの国民がカニを購入した。米国の需要増加により、高値になった。
 だが、

(続きは、「日本ネット経済新聞」9月14日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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