【タンスのゲン 橋爪裕和代表取締役】 <23年7月期の売上高は前期比7.0%増> 消費者に寄り添った商品開発で今期売上290億円へ(2023年9月7日号)

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橋爪裕和(はしづめ・ひろかず)氏 12年にタンスのゲンに入社。13年より常務取締役。23年4月1日から現職。

橋爪裕和(はしづめ・ひろかず)氏 12年にタンスのゲンに入社。13年より常務取締役。23年4月1日から現職。

 家具・インテリアECのタンスのゲン(本社福岡県、橋爪裕和社長)の23年7月期の売上高(海外含む)は、前期比7.0%増の263億円となった。次期の売上高は290億円を目標とする。前期は前半で計画未達や前年割れで下振れが続く苦しい状況だったが、23年2月以降、新商品の投入、販売方法や顧客対応などの見直しが奏功して増収に転じた。橋爪裕和代表取締役は23年4月1日付けで昇格。代表に就任して以降、経営陣の刷新や組織体制、採用の強化などに取り組む。

 ─前期の業績は。
 前期の売上高は前期比7.0%増の261億円となった。海外売り上げが2億円あるため、全体では263億円での着地となった。
 ─昨年の振り返りを。
 昨年は、物価高や為替変動などの外的要因に影響を受けた一年だった。業績も、22年8月から23年2月までの前半が非常に厳しかった。物価高に合わせて、値上げも何度か行わざるを得なかった。結果、減収減益で推移していた。
 しかし、今年の3月から、アフターコロナや物価高騰などによる消費者の生活の変化に合わせた新商品を大量に投入。販売方法や顧客対応の時間なども見直した。徐々に顧客から支持を得られるようになり、一気に業績を回復させた。


■販売の初動を加速

 ─実際の施策について詳しく聞きたい。
 アフターコロナを迎え、消費者ニーズに合わせた商品の開発や投入を行ってきた。
 販売方法は、新商品をお得に購入してもらう施策を投じて、新商品の初動を加速させるやり方を展開した。当社は新商品の販売の初動が遅いことが課題だった。これらの改善が奏功し、業績改善にもつながった。
 顧客対応は従来、朝10時から夜10時まで対応していたが、コロナ禍で夜8時までに時間を短縮していた。23年3月からは、夜10時までの対応に戻して、サービス面の再強化に取り組んだ。ネット通販は、夜の時間帯で動くことが多い。ECモールなどが実施するイベントなども、夜からのスタートが多い。時勢に合わせて推進したことで、購買の転換率向上にもつながった。
 ─新商品はどれくらい投入したのか。
 おおまかに年間1000SKUの入れ替えを行っている。前述の通り、前期は消費者の生活の変化に合わせた新商品の大量投入を行った。その中でもダイニングの商品が大きくヒットした。


■新商品がバズり

 ─X(旧ツイッター)でバズった商品があるとか。
 ダイニングとチェアのセットで約4万円の商品だ。過去、Xだけでこんなに売れたことがなく、当社が一番驚いている。

(続きは、「日本ネット経済新聞」9月7日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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