【ビィ・フォアード 山川博功代表取締役】 <日本を代表する越境ECを目指す> 売上高は初の1000億円超えに(2023年8月31日号)

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 中古自動車や自動車用品の越境ECなどを展開するビィ・フォアード(本社東京都)の23年6月期の売上高は、前期比33%増の1084億円と、同社初の1000億円超えとなった。前期比で44.8%の増収となった22年6月期に続き、2年連続での大幅増収となった。現在でも、海外への自動車輸出を行っている企業は多いが、ECで展開している企業はほとんどないという。創業当初、山川代表が自ら行っていた、中古車の仕入れは現在、システム化されている。車の知識がなくても仕入れができる体制を整えているという。最近では、中古車プラットフォームの事業や、海外輸送を安価に行うサービス「ポチロジ」も好調だという。好調の要因や、各事業の現状について、山川博功代表取締役に話を聞いた。

 ─23年6月期の好調の要因について教えてください。
 23年6月期の売上高は、前期比33%増の1084億円でした。前期比44.8%増の814億円だった22年6月期に続き、2年連続での大幅増収となりました。
 当社では現在、ロシア語やポルトガル語など7カ国語のECサイトを運営しており、200以上の国と地域で中古車を販売しています。売り上げトップ10の国・地域の顔ぶれは毎年ほとんど同じですが、規制が変わるなどした場合には、その国・地域の売り上げが大きく変わることもあります。当社では、多くの国と地域で販売を行っているため、そういった日々の変化にも対応できます。それが、当社の強みだと思っています。


■社長の知見をシステム化

 ─中古車の仕入れについて教えてください。
 当社は04年に設立し、09年に自社ECサイトを立ち上げました。ECを始めた初年度の販売台数は1000台に届かないほどでしたが、3年もかからずに1万台を超えることができました。
 販売台数を増やすにあたって、一番の課題となったのは、中古車の仕入れです。私は、新卒で車販売の業界に入りました。28歳で独立し、中古車買い取りの事業を始めました。長年業界に携わってきたので、「この車をいくらで仕入れたら、いくらで売れる」という知見も身についています。
 そのため、設立当初は、私一人で仕入れを担当していました。しかし、私一人では当然まかないきれなくなってきます。そこで仕入れをシステム化し、車の知識がない人でも、仕入れができる仕組みを整えました。
 「車種」「グレード」「色」「走行距離」「年式」などを基準とし、どこの国に向け、いくらで売れば利益が出るのかを、過去の仕入れデータと販売データから算出しています。人手が足りなかったときは、派遣社員が仕入れを行うこともあったほど、誰にでもできる仕組みとなっています。
 会社で重要なのは、「仕組みを作ること」だと思っています。数人だけがノウハウを持っていたり、飛び抜けて仕事ができていたりしたとしても、安定した成長にはつながりません。「仕組みを考えて、作れる人」を当社では重要視しています。


■プラットフォーム事業が伸長

 ─プラットフォーム事業について教えてください。
 20年頃から本格的に開始した事業で、


(続きは、「日本ネット経済新聞」8月31日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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