「インタビュー」柳田織物 リード ワイシャツECの「ozie」柳田織物/柳田敏正社長 /事務所に店舗を併設「見込み客を顧客に転換」

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-ショールームを開設したきっかけを教えてください。
 「試着できるショールームを作ることでECの売り上げを増やせると判断しました。経済産業省の調査結果によると14年のアパレルのEC化率は約8%となっており、服をネットで購入する消費者はまだ少数派です。初めて購入するネットショップであれば、なおさら注文へのハードルは高い。アパレルECの課題を解決するための方法の一つとしてショールームを作りました」

-売り上げが伸びたとしても、ショールームの運営コストが経営を圧迫しませんか。
 「運営コストはECの収益で賄えています。事務所として借りているフロアの一部を改装することで、初期投資やランニングコストを抑えました。接客を行うのは事務職として働いている既存の社員です。原則として予約制のため、『一見さん』の来店に備えて販売員を常駐させる必要もない。営業時間は午前10時から午後5時までで基本的に土日は休みます。ショールームを小売店と捉えて損益を計算すれば赤字ですが、あくまでECの売り上げを伸ばすために運営しているので問題はありません」

-店頭で販売することを目的としていないため、運営コストを抑えられるのですね。
 「『誰に来店してほしいのか』を明確にして、ターゲットを絞ることで運営コストを下げました。ショールームに来店する消費者の多くは、『オジエ』で気に入った商品を見つけて、質感やサイズを確認してから買いたいと思っている見込み客です。つまり、きちんと接客すれば購入に至る確率が非常に高い。成約率が高いため、接客にかかる人件費などのコストをECで回収できるのです。当社のEC売上高は年間約2億5000万円ですが、そのぐらいの規模のネットショップなら工夫次第で店舗を運営することは可能です」

(続きは日本ネット経済新聞 7月16日号で)

東京・六本木の本社に併設したショールーム

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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