【武内製薬 金光左儒社長】 〈売上高は43%増の20億円〉顧客の声を即座に反映した商品開発で成長(2022年10月20日号)

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 健康食品や化粧品のD2C、OEM事業などを手掛ける武内製薬(本社東京都、金光左儒社長)の業績が好調に推移している。22年8月期の売上高は、前期比43%増の20億円だった。商品の企画から製造、販売まで全て自社で手掛けるサプライチェーンマネジメント(SCM)を構築し、顧客の声を反映した商品を迅速に開発・販売できる体制を整えている。集客方法としてSNSを巧みに活用し、コアなファンコミュニティーの形成にも成功している。武内製薬の金光社長に、SCMの特徴や、売り上げ好調の要因、原材料高騰の対策などについて聞いた。

■自社工場保有のD2C

 ─事業の特徴は。
 一言で言うと、「自社工場を保有しているD2Cメーカー」だ。当社は商品の企画から製造・販売・物流までのSCMを自社で構築している。この強みを生かし、自社商品の製造・販売だけではなく、他社のOEM商品の製造受託、販売のコンサルティングなど、幅広いサービスを提供している。
 自社ブランドとしては近年、プロテイン「THE PROTEIN(通称:ザプロ)」の販売に力を注いでいる。
 自社ブランドを開発する際は、徹底的に市場を分析している。どの商品が市場に溢れているのか、あまり日の目を浴びていない商品は何か、日の目を浴びていない商品の中でニーズのある商品は何かなどをしっかりと調査している。当社では、この「あまり日の目を浴びていないが一定のニーズがある商品」こそ、うまく販売できれば、他社と大きな差を付けられると思っている。
 コロナ禍になり、「楽天市場」や「アマゾン」などのECモールでも多くの商品が流通している。市場にあまり流通していない商品でニーズのある、いわゆる「ブルーオーシャン」の商品群を発掘し、見つけ次第すぐに商品開発をして、販売できれば、他社よりも優位な状況に立てると考えている。


■常に顧客の声を把握

 ─増収を継続できる要因は。
 自社内に製造から販売まで一貫したSCMを構築していることや、常に顧客の声を拾い上げていることが、増収に寄与していると考えている。現在はプロテインをECサイトで販売しているが、常に顧客の声を商品の開発・改良に生かしている。
 SNSをチェックして、どんな些細な顧客の声も漏らさないようにしている。利用ユーザーがSNSで「この部分こうしてほしいな」と投稿していたら、すぐにその声を商品改良に生かす。
 過去には当社のプロテインに対して、「スプーンでかき混ぜると溶けにくい」という投稿を見つけた。自社で実際に確認し、確かにうまく溶けないと感じたため、即座に商品改良を行った。

(続きは、「日本ネット経済新聞」10月20日号で)

【プロフィール】
かねみつ・さじゅ氏
 84年3月生まれ。広島県出身。高校中退後に上京し、フリーターを経て09年に早稲田大学法学部入学。13年に脱毛ワックス専門店のVirgin Japan(ヴァージン・ジャパン)を開設。16年に武内製薬を設立し、現在に至る。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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