【レバレッジ 只石昌幸社長】 〈D2Cブランド「VALX」急成長〉商品に魂を込め、顧客を感動させる (2022年3月10日号)

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 プロテインのD2Cブランド「VALX(バルクス)」を19年に立ち上げたレバレッジ(本社東京都、只石昌幸社長)が急成長している。21年3月期の売上高は前期比3.6倍になった。「VALX」は、トレーナー界のレジェンドと言われる山本義徳氏が商品開発を監修している。山本氏が自身のユーチューブチャンネルやSNSで商品を紹介した結果、人気が爆発した。「中身の味やパッケージに魂を込めて商品を開発し、ユーザーを感動させることが重要だ。マーケティングは最終的には『熱量』だ」と話す、只石昌幸社長に、「VALX」ブランドの運営について聞いた。

■施策でブランド成長

 ─「VALX」が急成長しているが、成功の秘訣は。
 成功しているとは思っていないが、あらゆる施策が、ブランドを育ててきたと思う。私が重要だと思うのは、「ブランドの本当の力は、SNSの出現数に比例する」ということだ。
 SNSを使ったマーケティングというと、インフルエンサーをキャスティングして商品を露出させ、その反応を追うブランドが多い。ただ、本当に重要なのは、「『ブランドが意図しない露出』がどれくらい、どのように出現しているか」だと考えている。つまり、会社の知らないところでユーザーが勝手に紹介してくれることが大事だということだ。
 某高級時計ブランドを例にとれば、何十万円もする時計を求めて何店舗も訪れるユーザーがたくさんいて、ユーザーは商品を手にSNSで発信する。ブランドはユーザーに、「商品を発信してくれ」とは頼まない。これこそブランド力だ。
 私は毎日、ツイッターで「VALX」に関する投稿を何度も検索している。「VALX」に関する投稿を見つけたら、「いいね」を押すようにしている。自分が紹介したブランドの社長が投稿に反応してくれたら、感動するはずだ。私は、「VALX」というブランドの代表の立場で、投稿してくれた人の人生を少しでも幸せにしたいと考えている。そうしたことが、ブランドに”魂”を宿すのだと考えている。


■熱い思いで商品開発

 ─商品開発に対する考えを聞きたい。
 プロテインは、「絶対においしい製品を作る」という強い気持ちで商品開発している。「少しでもおいしくなければリリースはしない」という熱い思いで、担当者は開発している。その結果、SNSでは「奇跡の味のプロテイン」と呼ばれることもある。

(続きは、「日本ネット経済新聞」3月10日号で)

【プロフィール】
只石昌幸(ただいし・まさゆき)
 75年群馬県生まれ。法政大学卒業後、株式会社キーエンスを経て06年にレバレッジを起業。16年よりフィットネス領域でメディア運営を開始し、2019年にはフィットネスブランド『VALX』を立ち上げた。チャンネル登録者数54万人を誇るYouTubeチャンネルを中心に、広告に頼らないマーケティング戦略を展開。前年比362%という成長を達成した。21年にEO成長率アワードを受賞。趣味の極真空手では黒帯取得、シニア部門世界ベスト8位。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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