【生鮮品のCtoC】 ECで生産者の自立促す/プラットフォームが急成長

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 農産物や鮮魚といった一次産業に従事する生産者が、消費者にネットで直接販売するCtoCプラットフォームがコロナ禍で急拡大している。「食べチョク」を展開するビビッドガーデン(本社東京都、秋元里奈社長)は20年度の流通総額が前年の42倍に急増した。ポケットマルシェ(本社岩手県、高橋博之社長)が展開する「ポケットマルシェ」の20年5月の流通総額はコロナ禍前の20倍に伸長。生鮮品のEC「ゴヒイキ」を展開するHeart Full(本社東京都、樋勝毅社長)では、会員数がサービス開始から1年4カ月で3万人を突破した。各社がコロナ禍で事業を急拡大している背景には、売り場を提供するだけでなく、売り方や接客、販売ノウハウを提供できる環境を整えて、生産者の自立を促す仕組みがある。

■コロナ禍で卸先が縮小

 生産者の多くは新型コロナの影響で卸売上が減少した。飲食店などの営業自粛や時短営業などで飲食店向けの販路が縮小し、食材の廃棄ロスなども社会問題となった。行き場を失った食材を、生産者がCtoCプラットフォームを活用して消費者に直接販売する動きが、コロナ禍の2年目を迎えて定着しつつあるようだ。
 ビビッドガーデンは21年3月時点で登録生産者が4000軒に達した。ポケットマルシェでも新型コロナの感染が始まる前の約2.5倍となる約5000人の生産者が参加している。販路を求めて新規出店する生産者が急増している。
 CtoCプラットフォームは、生産者自らが商品の価格を決められるという利点がある。食品スーパーなどに卸売りする場合、卸先が店頭で価格を決めているが、CtoCで適正な価格で販売すれば生産者は安定した収益を得られる。また、ユーザーと直接やり取りができるため、「ファンベースマーケティングにつながっている」(ポケットマルシェ・高橋社長)と話す。


■学び合いの場も提供

 生産者の出店が急増したプラットフォーム各社では、売れるための営業ノウハウを提供する機会も充実させている。

(続きは、「日本ネット経済新聞」4月1日号で)

「ポケマル寺子屋」

「ポケマル寺子屋」

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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