〈定期購入規制〉 LPで価格・条件を一体表示に/「広告単価増」「禁止行為を明確に」の声

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 健康食品や化粧品の定期購入への規制を強化する動きが着々と進められつつある。8月にまとめられた、特定商取引法の改正に向けた報告書では、ランディングページ(LP)に、定期契約の価格・条件を”一体”として表示すること(以下”一体表示”)を義務付ける方向性が示された。複数の業界関係者や定期型通販のコンサルタントにコメントを求めたところ、「”一体表示”が義務付けられれば、大規模なシステム改修やLPの表示の書き換えのコストが発生する」「アフィリエイト広告の単価が上がるのでは」などと懸念する声が聞かれた。「現行の規制はあいまいで対応が難しい。どんな規制を導入するにしても、禁止行為を明確にしてほしい」といった声も挙がっている。

■価格や条件を近くに表示

 特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会が8月にまとめた報告書には、特商法のガイドラインの見直しに当たって、「広告画面及び申し込み画面において、価格等と契約内容・解約条件を一体として容易に認識できないような表示を禁止すべき」と記載していた。
 従来は、最終画面に契約内容を表示する際に”一体”である必要があったが、LPへの表示は「書いてあればよい」という状況だった。
 法改正後は、LPなどの広告画面にも、”一体表示”が求められることになりそうだ。
 薬機法や特商法に詳しい、丸の内ソレイユ法律事務所の成眞海弁護士は、”一体表示”について、「LPのコンバージョンボタンの手前に、価格や契約内容、条件を記載しなければならなくなると考える」と言う。「文字の大きさも指定されるかもしれない」とも話す。


■LP分かりにくさが背景

 特商法の改正案に”一体表示”が求められることになる背景には、国民生活センターに寄せられる、定期型通販に関する相談件数が急増していることがある。19年度の定期購入に関する相談の件数は、約4万件にのぼった。15年度の相談件数は4141件で、5年で10倍に増加した計算だ。

(続きは、「日本ネット経済新聞」12月17日・24日合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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