〈生鮮食品EC〉 コロナ禍で会員増加/サービスの継続的利用目指す

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Oisixはグループで会員を増やす

 新型コロナウイルスの影響により、自宅で食事をする機会が増えたことで生鮮食品EC各社が順調に会員数を伸ばしている。オイシックス・ラ・大地が展開する食品EC事業「Oisix」は外出自粛ムードの高まりに伴い受注が急増し、3月下旬に新規会員の登録を停止。オイシックスと共同でサービスを手掛けるNTTドコモや三越伊勢丹の食品ECサイトも同様の対応をとった。シャープが手掛けるECサービス「ヘルシオデリ」や、クックパッドの「クックパッドマート」も受注が増加したり、顧客単価が上昇した。コロナ禍を機に生鮮食品ECサービスの認知が高まったことで、各社はサービスの継続的な利用を目指す。

 今春以降、売り上げを大きく伸ばしたのがオイシックス・ラ・大地(以下オイシックス)が展開する「Oisix」。20年3月期における「Oisix」の売上高は、前期比21.1%増の358億2000万円だった。コロナ感染が深刻化した3月だけで売り上げが約6億円を上乗せしたという。売り上げが好調な一方で、会員が急増したことに伴い、配送センターの出荷キャパシティーが上限に達し、3月26日から新規会員登録を止めた。これによって、「3・4月の大きなプロモーションができなかった」(高島宏平社長)と言う。
 オイシックスとNTTドコモが共同で展開するECサービス「dミールキット」も会員が増えている。トライアルセットを含め、6月12日の時点で累計20万食を突破し、3万人以上の会員が利用した。
 19年7月のサービス開始から、主婦や子育て層をターゲットに展開してきた。今年2月下旬以降は、リモートワークが増える中で普段はあまり料理をしない新たな顧客層からの注文が増えている。外食を控えて、より家での食事を充実させるニーズの高まりを捉えたようだ。
 多様なニーズに対応するために、商品ラインアップを充実した。ミールキット以外の冷凍食品や総菜を中心とした「デイリーフード」の取り扱いを拡大。その後、レトルト商品や冷凍野菜なども順次増やした。商品数を2~3倍に増やした結果、3月度は2月と比較し、1回の顧客単価が10%上昇して6000円に。注文数も40%増となり、この部門の売り上げは1.8倍に増えた。
 一方で、課題も見えてきた。オイシックスと同様、物流体制の維持を理由に、新規会員登録を3月末から4月末まで停止した。「dミールキット」の責任者を務める櫻井稚子部長は「消費者のニーズを取り込んでいこうと考えていた矢先だった」と話す。ホームページには「注文待ち」の画面を掲載したものの、「多くのお叱りをいただいた」(櫻井氏)。
 オイシックスと三越伊勢丹が手掛けるECサイト「ISETAN DOOR」も2月~5月までの売り上げは前年同時期比で2倍、新規会員数は最も多い月で1000人に達している。


■シャープ、クックパッドも受注増

 シャープが展開する調理家電を活用したミールキットのECサービス「ヘルシオデリ」も順調だ。

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月25日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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