〈EC向け広告〉 デジタル化する音声広告/音声+ディスプレイでCTR数十倍

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音声と画面広告でCTR倍増

音声と画面広告でCTR倍増

 音声広告のデジタル化が進んでいる。ネットラジオの「Radiko(ラジコ)」や音楽配信の「Spotify(スポティファイ)」などの音声コンテンツサービスでは、ユーザーを性別や年代、趣味嗜好でセグメントし、ターゲティングした広告を配信することが可能になっている。19年からは、PCやスマホに表示するディスプレイ広告との連動を開始。音声とディスプレイの両方でターゲティング広告を配信することができるようにした。音声広告を耳にしたユーザーが、ウェブ上で同じ広告を目にした際に、広告をクリックする割合(CTR)は、ウェブ広告を見ただけの場合と比較すると、商材によっては数十倍から100倍以上にもなるという。商品認知と新規顧客獲得の両方を狙う単品通販企業にとっては、有力な広告媒体になる可能性がある。

■ラジコとスポティファイが巨頭

 国内の音声配信サービスでは、「ラジコ」と「スポティファイ」が2大巨頭となっているようだ。
 「ラジコ」の月間アクティブユーザー数は約750万人。その内、日本全国のラジオ番組を聞くことができる「プレミアム」の会員は約65万人だとしている。
 ラジコでは、配信しているラジオ番組に元々ついている広告とは別に、独自のオーディオアド(音声広告)を、ターゲティング配信している。ターゲティング広告の配信には、ラジオ局の番宣や局報の枠を使用している。
 例えば、地上波のラジオ番組の途中で流れる「12月16日午後18時からは○○を放送予定!」のような20秒程度の広告を、ラジコでは、「○○するなら△△」といった、同じ長さの音声広告に置き換えて配信している。
 ラジコ独自の音声広告は、配信する番組名を指定することができない。事前に広告を配信したい時間帯やユーザーの年代などの条件を設定しておくと、マッチしたタイミングで自動的に広告が配信される仕組みだ。独自の音声広告の完全聴取率(一つの広告を最初から最後まで聞いた人の割合)は98%だという。ユーザーが広告を視聴中に途中で離脱することがないのがメリットだ。
 スポティファイでは、ユーザーが選択した音楽のアルバムやプレイリストを再生する際に、広告を配信している。ラジコと同様、事前にユーザーごとにターゲットを絞って、セグメントした広告を配信することが可能だという。
 音声広告の運用などを手掛けるオトナル(本社東京都、八木太亮社長)によると、スポティファイでは、「通勤中」「睡眠」「運動中」などといった、シーンに合わせて作られたプレイリストを再生中のユーザーに対して、ターゲティングして広告配信することができるという。ユーザーの「まさに今」の状況に合わせて広告を配信できるのが強みだとしている。


■CTRは数十倍にも

 ラジコの担当者によると、音声広告はあくまで認知のための広告として出稿する企業が多く、

(続きは、「日本ネット経済新聞」12月19・26日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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