〈世界をリードするアジアEC〉 タオバオは動画EC本格化/インドではタタがアマゾンに対抗

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「アジア通販サミット」でタオバオは動画ECについて講演

 EC先進国というと米国を想起する人は多いが、アジアがEC市場をリードする存在になりつつある。EC市場の規模では中国が米国を抜いた。グローバルのECトレンドを語る上で、中国やインドなど巨大EC市場の動向は外せない要素となっている。中国最大のCtoC—ECモール「タオバオ」は、「3年後にはECの90%がライブコマースかショートムービーを活用するだろう」(プロダクトディレクターのチェン・レイ氏)と見ている。インドの財閥・タタは、先行するアマゾンなどに対抗して”倉庫を持たない”ECモールを開設し、急成長している。アジアのECプレイヤーの動きから国内EC市場の未来を読み解くヒントを探る。
 中国やインド、東南アジアなどは、消費市場としての成長性が高く、さらにEC化率も急拡大している。特にモバイルでの利用率が高いのも特徴だ。日本や米国のようにネットの利用デバイスがパソコン(PC)からスマホに徐々にシフトしたのではなく、最初からスマホをメインとしたEC市場が形成されている。
 タオバオはスマホ中心のEC市場において、コンテンツへの投資を強化している。
 コンテンツ制作の責任者であるプロダクトディレクターのチェン氏は、「以前はトラフィックを高めることを重視していたが、14年ころからモバイルの時代に入り、スマホアプリが登場した。アプリは島のようなもので独立している。コンテンツを強化することでユーザーの滞在時間を長く保つことができる」と分析している。
 タオバオはライブ配信などを手掛けるユーザーを2000万人抱えており、日々コンテンツを作り続けている。コンテンツの形態が変わるタイミングにEC市場が飛躍的に拡大する傾向があり、現在がその変わり目だと捉えているという。
 国内の動画コマースやライブコマースはまだ黎明期の段階だが、今後は利用率が増えるだろう。コンテンツの流行は国や文化によって異なるケースがある。日本流の手法を開発する必要がありそうだ。

■ブランドが多数出店
 インドも中国同様にスマホの普及と同時にネットの利用率が拡大した。10億人がスマホを保有し、7億人がECを利用しているという。
 タタグループのタタ・インダストリーズは14年、倉庫を持たないビジネスモデルでECモール市場に参入した。インド市場で先行するアマゾンやフリップカートに対抗し、中高年のユーザーをターゲットにリアル店舗との連携を重視したECモール「タタ・クリック」を運営している。
 「既存モールは在庫を多数抱え、それをディスカウントして販売している。当社もディスカウントはするが、リアル店舗と足並みをそろえている。デジタル製品などはともかく、ファッションブランドなどでは、ディスカウントは持続可能なモデルではない」(タタ・インダストリーズのサウヴィック・バナジーCTO)と話す。
 「タタ・クリック」はリアル店舗の在庫を活用したECモール。購入者は宅配や店舗受け取りを選択できる。リアル店舗への送客にも注力しており、実店舗で世界感を伝えたいブランドの要望にも応えている。
 ユーザーにとってはブランドのリアル店舗から商品が供給されるため、模造品のリスクがない。安心してブランド品をネット購入できる。

(続きは、「日本ネット経済新聞」9月27日号で)

ハイブランドが多数出店する「タタ・クリック」

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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