〈楽天、画像ガイドライン改訂〉 誤認で出店者が動揺/対象はメイン画像のみ、違反点数は猶予も

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【図①】ガイドライン制定・改訂の流れ

【図①】ガイドライン制定・改訂の流れ

 楽天は7月、出店者向けに「商品画像登録ガイドラインの遵守必須化に伴う改訂」に関する案内をメールで一斉送信した。今年1月に定めたガイドラインでは、商品のメイン画像について、(1)テキスト要素の占有率20%以下(2)枠線の使用不可(3)背景は単色白か写真のみ─を推奨していた。今回の改訂でガイドラインを必須化した。10月から違反点数制度の対象となるが、猶予期間を設けており、違反店舗に加点するのは19年1月以降になる(図(1)参照)。
 一部の店舗には改訂内容が正確に伝わらなかった。10月1日までに全ての画像を修正しないといけないとの認識を与え、動揺が広まった。楽天には多くの問い合わせが寄せられたという。
 楽天は説明不足だったと判断。出店者に再度、制度の背景や具体的な内容を案内した。


■改訂の背景を説明

 楽天は2度目の案内で、ガイドライン改訂の背景を丁寧に説明している。以前は商品画像内に説明テキストやカラフルな素材を入れた「にぎやかな商品画像」を推奨していた。しかし、高機能なスマホの普及やSNS利用者の増加に伴い、ユーザーの認識が急激に変わったことでガイドライン改訂を検討し始めたという。
 17年春からユーザー調査を実施したところ、今回の新ガイドラインに沿った画像よりも、楽天市場で多く見られる「にぎやかな画像」の方が、「見にくい」「安っぽい」とユーザーが評価していることが分かった。楽天は18年初頭の「新春カンファレンス」でも画像ガイドラインについてアナウンスし、7月にルールの必須化や期限について案内した。


■誤認が多かった点

 誤認が多かったのが、対象画像についてだ。ガイドラインの対象となる画像は、検索結果に表示される「商品画像(1)」(メイン画像)のみ。今回の改訂に伴い、全画像を修正する必要はない。
 違反点数の加点時期についても誤認が多かった。10月1日から違反点数制度の対象になるが、18年中は猶予期間としている。実際は19年1月1日以降に違反していた場合に加点対象となる。
 ガイドライン違反の評価については、「◎(OK)」「△(要改善)」「×(NG)」の3段階を設けている。例えばテキスト要素が基準の20%を超えても30%以下だったら「△」となる。31%を超えると「×」と評価する(図(2)参照)。
 総合判定が「△」の画像については当面、違反点は加点しない。ただ、将来的には判定ロジックを更新し、「△」をなくして、「◎」か「×」の二者択一の評価とする予定だ。
 ガイドラインを順守している「◎」のメイン画像を設定している商品は、「△」「×」のメイン画像を設定している商品よりも楽天市場内で露出が増える可能性があるという。
 楽天は9月上旬、各出店者が設定しているメイン画像について判定結果をまとめたレポートを配信する予定だ。今後も出店者の理解を深め、ガイドライン順守を促していく方針だ。

【図②】商品画像の判定基準

【図②】商品画像の判定基準

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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