2025年の、中国最大のECセールイベント「W11(ダブルイレブン、独身の日)」における、中国ECプラットフォーム全体の累計売上高が、前年比14.2%増の1兆6950億元(約37兆2900億円)となったことがこのほど分かった。ビッグデータ分析サービスを展開する星図数据(Syntun、シントゥン、本社中国)が発表した。近年苦戦を強いられてきた日本ブランドだったが、今年は健闘。多くのカテゴリーで前年に比べて増収となったようだ。
■天猫、京東、抖音がトップ
セール期間は年々長期化している。今年の累計売上高の集計期間は25年10月7日~11月11日で、前年24年10月14日~11月11日から1週間伸長した。
中国ECプラットフォーム全体の期間累計売上高は、前年比14.2%増と成長曲線を描き続けている。W11において、主要な中国のECプラットフォームは成長を遂げた。
星図数据によると、プラットフォーム別の売上高は、首位が「天猫(ティーモール)」で、「京東(ジンドン)」「抖音(ドウイン、中国本土版ティックトック)」の順だったという。
■アリババ、直近4年で過去最高
アリババグループは、中国大手ECプラットフォーム「天猫」「淘宝網(タオバオ)」で実施したW11について、「幅広い規模のブランドに、堅調な成長をもたらした」と発表した。天猫の劉波社長は、「『天猫』については、返金控除後のGMV(流通総額)が直近4年間で過去最高の11.11%成長を達成した」と明らかにした。
アリババによると、11月14日時点で、約600のブランドの売上高が1億人民元(約22億円、1元=22円で計算)を突破したという。
アリババグループの配送インフラを活用した「タオバオ」の即時配達サービス「タオバオインスタントコマース」と「天猫」が連携。この即時配達サービスに連携した「天猫」のブランドは、注文数が25年9月度比で198%増加したという。
堀井氏は、「今回から、『クイックコマース』と呼ばれるようなフードデリバリーサービスの進化形にあたる、半径3キロ・30分以内に商品を届ける『即時配達サービス』が登場した。『即時配達サービス』の大手プラットフォームの参入によって、マーケットが盛り上がりを見せている。食品以外のジャンルにおいても、消費者の即時的なニーズを満たすという視点を持つことが重要だ」としている。
より素早く届く「即時配達」は、新たな商機となりそうだ。
■京東、注文数は約60%増
中国EC大手の京東(ジンドン)グループは、
(続きは、「日本流通産業新聞」12月4日号で)
【中国W11】37兆円規模に/日本ブランドも健闘/日本企業、多くのカテゴリーで増収(2025年12月4日号)
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