ゲーミングPCや、その周辺機器のメーカーがゲーム以外の市場へと展開を拡大するケースが増えている。子どものころから日常的にゲームをしてきた世代が、30~40代となったことで、「スペックの高いゲーミングPCで効率良く仕事をする」といったケースも珍しくないようだ。ゲーム業界で「SNS監視」や「メタバース」といったサービスを提供してきた企業の中にも、「ゲーム業界以外」へのサービス提供を企図する企業が増えているという。逆に、これまでゲーミング市場とは縁が薄いと見られていた、PC・周辺機器のメーカーが、同市場に新規参入するケースも増えている。マウスコンピューターは、ゲーミングPCのラインアップを強化。エレコムは、マウスやキーボードといった周辺機器の開発に注力している。ゲームはいまや、「ニッチなコンテンツ」から「老若男女が楽しむコンテンツ」へと変貌を遂げた。「ゲーム」と「ゲーム以外」の垣根を乗り越える商品・サービスが、今後も増えていきそうだ。
■5シリーズのPCを発売し一般層に訴求
ゲーミングPCブランド「ガレリア」などを展開するサードウェーブ(本社東京都)は9月18日、商品ラインアップの全面リニューアルを行うと発表した。「ゲーミング以外」への展開を強化する狙いもあるようだ。デスクトップPCについては、「S」「X」「F」「E」の4シリーズと、協業パートナーと作り上げる「GSL(GalleriaSpecialLine)カテゴリー」の5シリーズで展開していくという。
同社が展開するガレリアシリーズはこれまで、ゲーミング向けのデザインだった。新たに発売した「Xシリーズ」では、「ゲーマー向けPC」に加え、シンプルなデザインでライトなども抑えた「クリエーター向けPC」の展開も行っていくという。
現在開発中の「Eシリーズ」は、小型でインテリアとしても使いやすいデザインとなっている。これまでのPCとは異なり、リビングのテレビ横に設置するといった使い方ができる商品だとしている。
永井正樹COOは、「当社は、ゲーミングPCという概念がなかった時代から、ゲーミングPC市場を切り開いてきた。その中で、顧客の利用シーンを見据えた商品開発を続けている。新しいガレリアに込めた思いを伝えていきたい」と話す。
近年人気の「モンスターハンターワイルズ」といったゲームタイトルには、高いスペックのPCが求められる。「人気タイトルの発売に合わせ、20万~30万円といった高スペックのPCを購入し、仕事用としても使いたいと考えるユーザーが増えている」(GALLERIA esports Lounge・松本啓店長)と言う。
一方、PC関連機器のEC・卸などを展開するエレコムは22年から、ゲーミングに特化したブランド「V custom(ブイカスタム)」シリーズの展開を開始した。現在も同ブランドの開発に注力している。
同社の商品はこれまで、
(続きは、「日本流通産業新聞 10月16日号で)
【ゲーミングEC市場】「ゲーム」の垣根越えた展開加速/「ゲーミングPCで効率良く仕事を」(2025年10月16日号)
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