東京地裁/消費者庁の違法表示認定に「誤り」/前代未聞の措置命令取り消し判決(2025年8月7日・14日合併号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 東京地方裁判所は7月25日、消費者庁が23年に行った、景品表示法に基づく措置命令について、違法として取り消す判決を下した。裁判所が景表法の措置命令を取り消す判決を下したのは今回が初めて。措置命令は23年10月、forty―four(フォーティーフォー、本社東京都)が販売する「糖質カット炊飯器 LOCABO(ロカボ)」の表示が、景品表示法に違反しているとして出されたもの。同社は取り消しを求めて提訴していた。
 消費者庁では、措置命令を行った当時、「本件商品の糖質カット炊飯機能で炊飯することにより、通常の炊飯機能で炊飯した米飯と同様の炊き上がりとなる」旨の表示が違法な表示に当たるとして処分を行っていた。東京地裁は、原告の広告表示はそのようには読み取れないという判断を行った。消費者庁が認定した違法な表示自体がそもそも誤っていたことにより、措置命令自体が成立しないと判断したという。


■違法表示の認定が間違い

 消費者庁の23年10月の処分発表によると、forty―fourは、「ロカボ」の自社ECサイトで、商品画像とともに、「減らす 控える 落とす 美味しさそのまま 糖質45%カット炊飯器 LOCABO ※第三者機関による検査(2021年7月)」と表示していたという。forty―fourは、炊飯された米飯の画像とともに、「糖質カット炊飯器 LOCABO『あれば便利、邪魔にならない』をコンセプトにした45%カット炊飯器LOCABOの一番の特徴である糖質カットを実現したのは、その構造です。一般的な炊飯器では、お米を炊いた際におコメから発生する糖質(でんぷん)が水と一緒にお米に付着しています。そこでLOCABOはおコメから発生した糖質(でんぷん)がお米に付着しないように、蒸し器のような構造にしています。これによって、炊飯時に発生した糖質(でんぷん)を落とすことが可能になりました」などと表示していたとしている。
 消費者庁は、forty―fourはあたかも、「本件商品の糖質カット機能で炊飯することにより、通常の炊飯機能で炊飯した米飯と同様の炊き上がりで、米飯に含まれる糖質(でんぷん)が、45%カットできるかのように示す表示をしていた」と認定していた。
 forty―fourでは、糖質カット炊飯の際の炊き方が、通常の炊飯とは異なることを表示している」と主張し、「ロカボ」の表示を優良誤認表示とみなすことはできないとして、措置命令の取り消し訴訟を提起していた。

(続きは、「日本流通産業新聞 8月7日・14日合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ