オリジナルプリントTシャツの製造や自社ECサイト「CLAT―JAPAN(クラティージャパン)」を運営するフォーカス(本社山梨県、常松憲太社長)の25年12月期売上高は前期比約25%増の40億円になる見通しだ。ユニフォームなどのカタログ通販を出発点に、大学や自治体向けのBtoBで成長してきた。ECに転換したことで販売先を広げ、来期の売上高は50億円を計画する。今年9月には初の海外展開を始動し、IPO準備に弾みを付ける。常松憲太代表取締役に話を聞いた。
■退職と決断が拡大の始まり
─カタログ通販が祖業と聞く。
起業する前の約12年間、地元・山梨のカタログ通販の会社で勤務していた。これらの知見を生かして2009年に会社を創業した。
起業当時の余談になるが、事業を大きくしようという熱意はなく、ご飯が食べられればいいと思っていた。しかし、起業して間もない時、当社に入社したいと数人から申し入れがあった。わざわざ会社を退職して来た人もいて「これは断れない」と、事業を拡大するしかなくなった。
当社の祖業は前職の知見を生かした法人向けカタログ通販で、大学や学校にユニフォームやクラスTシャツなどの販売を行ってきた。幸いなことに大学向けの販路は順調に拡大して、全国の国立大学が取引先となった。
大学向けに展開していると、学生から直筆の手紙や色紙などをもらう機会が増えた。大変な時も学生たちのお礼が大きな励みとなり、人に喜んでもらえる実感が増していき、事業開始から3年目を境に、法人向けの事業だけの展開から手を引く決断をした。当時、大学向けの売り上げだけで年間約8000万円あったが、ゼロにした。
ただ、幸いなことに他のチャネルで売り上げが確保できるようになっていた。これが現業であるプリントTシャツ事業にシフトしていく契機となった。
─ECにはいつ頃シフトしたのか。
(続きは、「日本ネット経済新聞」10月2日号で)
<プロフィール>
常松憲太代表取締役
1972年8月生まれ。東京都出身。都立武蔵高校を卒業後、衆議院議員の父親の事務所でアルバイトなどを経験。その後、山梨へ移住してさまざまな仕事を経験。09年に現フォーカスを創業し、現在に至る。趣味は映画鑑賞。
【フォーカス 常松憲太代表取締役】 <売上50億円計画、IPO準備も> 初の海外展開で成長加速(2025年10月2日号)
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