【治療食・介護食ECの顧客接点】病院紹介が主もウェブに注力へ(2025年9月11日号)

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ヘルシーフードが医療施設で配布しているカタログ

ヘルシーフードが医療施設で配布しているカタログ

 治療食・介護食のECへの集客は、病院など医療施設からの紹介がメインだ。しかし、自宅療養になったり、介護施設に入居できなかったなどの事情から、患者自身が探さざるを得ないケースも出てきている。医療施設を介さずに利用者との接点を作り、ECへの流入を増やすための戦略を練り上げる必要性が増してきている。

■信用される医療施設からの紹介

 治療食は、食事が症状に直接的に影響する糖尿病や腎臓病を対象にしたものが大半だ。患者は医療施設で栄養指導を受けるが、自身で調理することをし続けるのは難しいため、栄養管理された食品が利用されている。
 ヘルシーフード(本社東京都、黒田賢社長)は、栄養指導時にも利用できる知識コラムを盛り込んだカタログを制作して、医療施設に配布している。指導者に試食してもらうなどして、患者にサービスを紹介しやすい環境を整える。
 「症状によって、何をどれだけ摂取して良いか、どの程度の柔らかさなら食べられるかが異なる。カタログでは段階が分かるようにしており、どのページから選ぶのが良いか、指導してもらえるよう工夫した」(ヘルシーフード 企画部 特販企画課・金杉早織氏)と話す。


■モール、検索からの利用も

 20年から楽天市場で治療食・介護食を販売するシニアライフクリエイト(本社東京都、高橋洋社長)は、楽天市場のユーザーで、食事に気を配り始めた人や、在宅介護している人から関心を集めて集客に成功している。「糖尿病 食事」の検索ワードが目立つという。25年2月期の売り上げは、前期比35%増の2億6000万円と成長している。
 高齢者向けの宅配食を展開している実績が評価されたとみている。レビューは味に関する内容が多く、食べやすさから4回以上購入しているリピーターが、顧客全体のおよそ半数を占めるという。

(続きは、「日本ネット経済新聞」9月11日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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