【中国越境EC キリン堂の挑戦】挑戦しないことがリスクと感じ越境CE参入

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伊藤雄喜氏

 ドラッグストアチェーンのキリン堂は15年11月11日に開催された、中国の「独身の日セール」で約4億5000万円を売り上げた。アリババグループの越境ECサイト「天猫国際(Tモールグローバル)」内の日本企業ではトップの実績だった。同社は14年3月の「天猫国際」開設時から出店し、中国市場への越境EC(国境を越えたネット販売)に挑戦してきた。世界中の有力企業が参入する中国の越境EC市場において高い実績をあげている。そんなキリン堂も当初からすべてが順風満帆というわけではなかったという。中国EC市場の難しさや可能性、越境ECの勘所についてキリン堂の越境ECの陣頭指揮を執る新事業開発部・通販ネットビジネス部長の伊藤雄喜氏に語ってもらった。

中国EC市場との出会い 13年10月、アリババジャパンの方にご来社いただいたのが最初のきっかけでした。「翌春にオープンする越境ECモール『天猫国際』に出店しませんか」というオファーをいただきました。
 当時は中国人観光客の「爆買い」もまだ始まっておりませんし、中国EC市場のポテンシャルも国内ではそこまで浸透しておりませんでした。日中の政治的な問題もあり、中国市場は難しいというイメージばかりが先行していたときです。
 ましてや越境ECが今ほど注目されていませんでしたし、先行事例もありませんでした。アリババジャパンの方には熱心にお誘いいただきましたが、社内の理解を得るのも難しいと思いましたし、私自身もすぐには踏み切ることはできませんでした。
 ただ、中国市場のことを知らずに決断できないと考え、アリババジャパンの方に「一度、中国に連れて行ってほしい」と依頼しました。14年1月に初めて中国に訪れると、まずそのスケールの大きさに驚きました。上海の中心地は東京以上に華やかですし、地下鉄などはIT化が日本よりも進み、スマホを使っている乗客もたくさんいました。杭州にあるアリババの本社ではさらに驚かされました。敷地の広さや先進的なビル、スタッフの多さなどに圧倒されました。中国EC市場の勢いを肌で感じ、挑戦しないことが一番のリスクだと考えました。

続きは「日本流通産業新聞」2月25日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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