【通販企業 トップインタビュー】 サン・クラルテ製薬 取締役本部長 新島恒亮氏/新商品開発と海外展開で規模拡大へ(2023年3月30日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む
新島恒亮氏

新島恒亮氏

 マウスウォッシュや健康食品などの通販を行うサン・クラルテ製薬(本社福岡県、新島昌裕社長)は、23年4月期の売上高が、およそ17億円で着地する見通しとなった。22年5月に発売した機能性表示食品「KALCALA(カルカラ)」や、ロングヒットとなっているマウスウォッシュ「ゴッソトリノ」の売り上げが好調のようだ。今後も定期的に商品開発を行ったり、海外展開を強化したりすることにより、さらなる成長を目指していく。24年4月期は売上高30億円の達成を見据えているという。23年4月期の振り返りと今後の展望について、新島恒亮取締役本部長に話を聞いた。

 ─23年4月期を振り返ってみてどうだったか。
 22年5月に発売した「カルカラ」などの新商品の、売り上げ全体の底上げに寄与している。カルカラは、代謝をサポートする機能性表示食品。お腹の脂肪を減らし、むくみを軽減するといった効果が期待できる商品だ。
 現状は、女性をターゲットにしている。一番多い購入層は、40~50代。女性比率は8割以上という状況だが、見せ方によっては、男性の需要もあるかもしれない。今後は、商品の見せ方も工夫していきたい。
 ─原価高騰の影響は。
 原材料だけでなく、封筒や箱など、全ての価格が上がっている。今はまだ大幅な値上げは行っておらず、一部商品の価格を数%上げた程度だ。
 当社には、定期購入の顧客も多い。定期の顧客に対して値上げをすると、離脱のリスクもある。そのため、まずは慎重に対応するようにしている。
 とはいえ、今後の事業の継続を考えると、お客さまに負担していただく部分は出てくると考えている。
 ただし、単なる値上げではなく、同時に商品のリニューアル等のサービス向上を行うことで「さらなる付加価値」を提供していくことを心掛けている。
 価格上昇後も、当社商品を使いたいと思っていただけるような、サービスの向上には引き続き注力していきたい。
 今後の商品開発においても、どれだけ付加価値の高い商品を作っていけるかが、重要になるのではないだろうか。
 ─今後の展開について教えてほしい。
 新商品開発の面では、直近の動きとして化粧品・機能性表示食品などのジャンルにおけるラインアップ拡充を考えている。
 化粧品ジャンルにおいて現在当社では、オールインワンの商品の取り扱いしかない。商品ラインアップの拡充は、売り上げにも大きく影響してくると考えている。
 今後も様々な訴求の機能性表示食品が出てくるだろう。当社のお客さまのニーズに応えられる訴求の機能性表示食品の開発に、今後も力を入れていく。
 この他にも、お客さまに喜んでいただける商品は、ジャンルを問わず取り扱いを検討していく。昨今の非常に速くなっている市場の動きに後れを取らぬよう、スピード感のある新商品開発を意識して取り組んでいく。
 販路としては、海外展開を強化していきたい。現在は、台湾で販売しているが、台湾の売り上げを拡大していくのはもちろんのこと、さらに中国を中心としたアジア圏にも販売の輪を広げ、海外売り上げを伸ばしていきたい。
 代理店販売、越境ECには、それぞれ長所・短所があると思う。自社のECの運営状況も踏まえつつ、最適な選択をしていけたらと思っている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ