【CPコスメティクス 代表取締役執行役員社長 児玉晃洋氏】アフターコロナは年100サロンの出店目指す(2023年3月9日号)

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 化粧品のサロン販売を手掛けるCPコスメティクス(本社東京都、児玉晃洋代表取締役執行役員社長)では、新規来店数が、回復傾向にあるという。22年の1年間のサロンへの新規来店者数は、前年比で30%増加したとしている。同社の児玉代社長は、「代理店やサロンオーナーのモチベーションも高まっている。現在の2倍のペースで、年間100サロンの出店を目指していきたい」と話す。児玉社長に、同社のサロン販売のビジネスモデルや、コロナ禍におけるサロン・スタッフの様子について聞いた。

■1200カ所のサロン

 ─CPコスメティクスのサロン販売の形態について聞きたい。
 当社では、約110社の専売代理店のもと、約1240店のCPサロンを運営している。
 当社はもともとソニー・クリエイティブプロダクツの一事業部門として生まれた化粧品メーカーだ。そうした流れがあるため、地方の有名な企業が代理店契約しているケースも少なくない。
 代理店が持つサロンは基本的に、一人のオーナーが1店舗を運営している。サロンでは、オーナーが、スタッフと共に、フェイシャルエステやメーキャップアドバイス、化粧品のカウンセリング、化粧品の販売を行っている。
 スタッフの数は、全国に約4000人いる。集客のほとんどは、サロンのことを気に入ってくれたお客さまからの紹介だ。
 CPサロンの大きな特徴の一つは、誰にでもサロン出店の可能性があることだ。サロンのスタッフに、一人でお店を持てるだけの数のお客さまができたら、サロン出店という道が開かれる。当社は、サロン経営者としての道を、代理店と共に応援している。
 サロンは、商業施設などのテナントやマンションに出店するケースが多い。近年は、一軒家を持つオーナーが、自宅の敷地内にサロン用の別棟を作るケースも増えている。
 郊外や、車で通う地域、駅前をはじめとした都市部など、さまざまな地域に、多様な形態で出店している。
 各サロンには、平均100~200人のお客さまが毎月通ってくれている。


■主力商品をリニューアル

 ─主力商品は。
 ベーシックケアラインの「SOIGNE(ソワーニュ)」と、薬用エイジングケアライン「SOIGNE FIERTE(ソワーニュ フィエルテ)」が、主力商品だ。全社売り上げの約7割を占めている。
 各ラインではそれぞれ、クレンジング、洗顔料、化粧水、乳液、クリーム、マスク、マッサージクリームなどをラインアップしている。「高品質を追求したこだわりの化粧品で、美しい素肌を引き出す」という考えをお伝えしている。
 「ソワーニュ」は22年4月にリニューアルを図った。肌本来の機能を高める「ホメオグローイング」というアプローチで、素肌美の可能性と自信を育むラインだ。
 7年ぶりのリニューアルということもあり、当社の株主であるTBSグループの協力のもと、代理店やオーナーたちへ大々的なプロモーションを行った。
 ─顧客層は。
 現在の顧客のコア層は40~50代となっている。サロンオーナーの年齢が40~50代となっており、同年代のお客さまが多い。
 今後、お客さまとサロンスタッフの年齢層を徐々に下げていくための取り組みにも着手していく予定でいる。


■客数15%減少も回復傾向

 ─化粧品のサロン販売では、コロナ禍でサロンへの集客が減少した。貴社ではどうか。
 コロナ禍に突入した20年は、サロンの集客が減少した。20年4月は特に、来店者数が前年同月比で15%減少した。お客さまの中には、教職に就いている人や看護師なども多く、サロンに通いたくても通えない人が多かった。
 家族にサロンに行くことを止められた年配のお客さまも多かった。
 コロナ以前は、新規のお客さまの来店数と、サロンの新規出店数の両方を伸ばしていくことが、全社的な目標だった。
 20~21年は、サロンのお客さまの来店や売り上げを維持するのがやっとだった。オーナーにサロンを継続してもらうために当社では、代理店と協力しながらサロンの家賃補助をするなど、いち早く、サロンオーナーの支援に動いた。
 そのかいもあり、オーナーたちからは、「こんな時でもお客さまが来店してくれる」「コロナでも仕事があってうれしい」といったポジティブな声が聞かれた。
 22年になって行動制限が解かれ、集客も回復してきた。22年は1年間の集客数が、対前年比30%増になった。
 22年の新規出店数も、30%増加した。
 ─アフターコロナに向けた戦略を聞きたい。
 コロナ以前と同様、新規出店数と新規顧客数を増やしていきたい。
 新規出店数としては現在、年間40~50カ所の出店ができている。これを、年間100店の出店に増やしていきたい。そのためにはより満足いただける化粧品、サロン作りをこれからも追求してきたいと考えている。
 コロナ禍で始めた、オンラインでの販売研修の取り組みは、想像以上に定着した。これからも、口コミを中心とした、人と人のリアルな関係性を大切にしながら、インスタグラムなどのSNSを活用したり、DXを推進したりして、より多くの人に愛されるブランドとなるよう、さらなる進化を続けていきたい。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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