エイチ・ツー・オーリテイリング 21年3月期/百貨店EC売上86%増/デジタルとの融合奏功か(2021年5月20日号)

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 阪神、阪急百貨店を傘下に持つエイチ・ツー・オーリテイリングが5月11日に発表した21年3月期決算によると、百貨店事業のEC売り上げは前期比86%増の84億円となった。リアルとデジタルを融合した新たな購入プロセスの提供や、商品ラインアップの拡充が奏功。会員数と売り上げの増加につながったようだ。
 百貨店事業は、OMO推進室とOMO販売推進部を設立した。ECとウェブ決済サービス「Remo Order(リモオーダー)」の売り上げを3年後に3倍にするとしている。
 OMOモデルの推進として、SNSによる情報発信、ウェブカタログ、ウェブ接客の充実や強化に乗り出している。阪急・阪神両本店の大型催事は、ウェブセミナーやECを組み合わせている。
 百貨店事業全体の売上高は前期比26.5%減の3477億6800万円だった。同事業の営業損失は19億300万円(前期は114億8600万円の黒字)。コロナ禍の影響による入店客数の減少などが要因となっている。
 コロナの感染拡大と緊急事態宣言が客数を押し下げたが、海外の高価格帯ブランドなどラグジュアリーブランドの売り上げは堅調に推移した。売上高の落ち込みは通期予想と比べると抑えたとしている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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