一蔵 20年3月期/和装事業、2桁増収に/大規模展示会がけん引

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 一蔵の20年3月期における和装事業の売上高は、新型コロナウイルスの影響はあったものの、それ以前に開催した展示会販売が奏功し、前期比10.4%増の135億5000万円になった。
 和装事業では、2月以降に新型コロナウイルスの感染拡大によるイベントの自粛要請に伴う卒業式や大規模催事の中止により、着物の売り上げと袴のレンタル売り上げに影響を受けた。
 コロナ禍前に実施した積極的な広告宣伝や、グループ店内外で開催した催事は、一般呉服や振袖の販売、成人式の前撮り写真撮影の受注が大きく貢献したことで増収になった。
 展示会販売では、予算規模が2000万円以上の大規模催事を前年よりも多く開催し、開催回数よりも内容を充実させる施策が奏功。PB商品の受注実績は、計画比4.9%増、前期比16.4%増の2936着を販売した。
 和装事業のセグメント別業績は、振袖や呉服の「販売」が前期比15.4%増の71億8000万円、「レンタル」は同0.1%減の18億1100万円、「加工」が同11.4%増の14億9500万円、「写真」は同5.7%増の24億1000万円、「その他」が同5.7%増の6億5200万円だった。
 営業利益は、積極的な広告宣伝により、販管費が増加したことで減益となった。
 21年3月期は、より購入しやすい価格帯の実現に向けてSPAモデルを強化。オンラインを活用したビジネスモデルの構築のほか、子会社の「京都きもの学院」とのシナジーを狙い、合同催事の強化や着付け教室のカリキュラムを増やす考えだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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