公益社団法人日本広告審査機構(JARO、事務局東京都、西澤豊理事長)は12月、19年上半期(4―9月)における広告審査概況を発表した。相談受付件数は前年同期比17%増の6125件で、過去最多だった。アフィリエイトサイトに関する苦情が目立った。苦情の業種別件数では、健康食品に関する苦情が33.9%増加。「定期購入だと分からなかった」「効果がない」といった声が寄せられた。
JARO側で該当広告の即刻排除、もしくは表示の撤回が必要となる「警告」を指示した事案は19件だった。内訳として、インターネット上での健康食品に関する相談が多数を占めた。
ニュースサイトやSNSなどのインフィード広告からアフィリエイトサイトまでの導線を作り、「購入はこちら」などのバナーをクリックすることで公式通販サイトに飛ぶようにしている事例が9件あった。いずれも関係法令に抵触するおそれがあるとして「警告」と判断した。
JARO側で審査したところ、警告対象となるアフィリエイトが絡む事案において共通した広告制作会社や広告会社が関与していることも分かった。
オンラインによる受付件数は前年同期比31.3%増の3450件。JAROは7月、サイト上に設置している送信フォーム「JAROオンラインご意見箱」を刷新し、画像の添付画像数と容量を拡大した。名称も「広告みんなの声」に改めた。
インターネットで配信される広告は、個人の閲覧履歴に基づいたパーソナライズした内容の配信が多い。JARO側で同様の広告を確認するには、苦情申立者が対象画面をスクリーンショットして保存し、送信する必要があった。
日本広告審査機構/相談受付件数は過去最多/アフィリエイトの事案目立つ
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