〈消費者委員会〉 段階的な取り組みが必要/実施状況と社会情勢が焦点に

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ウェブ表示について議論している様子

 消費者委員会は7月5日、「食品表示部会」を開催、前回の会合に引き続き食品を扱う事業者に対して、ウェブサイト上での食品表示の義務化と食品表示法の改正の必要性について議論した。
 会合では、広告として、あるいは食品表示として活用しているケース現状を把握した上で、3段階に分けて取り組む方向性を示した。
 まず、第1段階では、「ぜい弱性」を有する消費者への対応と、食品のネット販売に活用してもらう。ここでは、ウェブ表示の情報は現行の義務表示範囲内に限定した。続く第2段階では、現在の食品表示の情報に加えて、消費者や事業者の要望に合わせて、追加情報を提示する。原料原産地の表示拡大が想定されるという。
 第3段階では、第2段階までの普及状況や社会情勢などを考慮し、法令による、容器とウェブでの表示のすみ分けを検討する。
 渡邊健介(一般財団法人食品産業センター参与)委員は、「第3段階での法令による表示のすみ分けは、ウェブを利用したい事業者だけが活用するのか、ルールとして義務化するのかを明確にすべき」と主張した。これに対し部会長の受田浩之(高知大学理事・副学長)氏は、「第2段階までの普及状況や社会情勢に合わせて、法執行による強制も検討していく」と言及した。
 受田部会長の意見に対し、菅聡一郎(弁護士)委員は「第2段階までの普及状況や社会情勢だけなく、消費者や事業者の意見も踏まえた議論も必要になる」とした。
 さらに、小松幸代(日本チェーンストア協会食品委員会委員)委員は「ウェブに対応している事業者もいれば、そうでない中小事業者がいる中で、どこまで対応できるのか」と実効性について意見した。渡邊委員も「ウェブを活用しないと、取り残されたり、事業が成り立たなくなる事業者を出してはならない」という懸念を示した。受田部会長は「今後、事業者がどこまで実行可能かを調査していく」としている。消費者委員会によると、具体的な調査手段や内容、開始時期などはまだ未定だという。


■「ぜい弱性」の定義範囲

 議論の中で、「ぜい弱性」を有する消費者の定義も焦点になった。夏目智子(全国地域婦人団体連絡協議会幹事)委員は「ぜい弱性」の定義について、「定義の範囲が広すぎる。ぜい弱な消費者を明確にするのは難しい」とした。
 会合では、訪日外国人や高齢者、視覚機能に問題がある消費者などを「継続的ぜい弱性」、災害に被災し合理的な判断ができなかったり、市場の特徴や性質など、さまざまな要因により適切な判断ができない消費者を「一時的ぜい弱性」などと定義し、事務局が示した「ぜい弱性」について直していく必要があるともした。
 今後は、8月1日に開催される同部会で取りまとめが行われ、消費者委員会本会議で報告書の内容について議論される見通しだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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