【生成AI革命前夜か】 著作権侵害など課題も(2024年3月14日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 通販・EC業界の広告クリエーティブなどにおいて、生成AIの利用が広まりつつある。動画や画像の生成AIサービスが次々と発表されており、今後さらに、広告をはじめ、さまざまな場面でのAI活用が進むことは確実だろう。一方で、生成AIの利用に当たって、著作権侵害など、法的な問題は生じないのだろうか。弁護士2人に話を聞くと、故意・過失がなくても著作権侵害と判断されるリスクはあるようだ。文化庁は2月29日、「AIと著作権に関する考え方について(素案)」と題した文書についてのパブリックコメントの結果を発表した。3月18日には、この結果を受け、「AIと著作権に関する考え方について(素案)」が正式に発表される予定だ。生成AIは革命前夜ともいえる状況。AIの通販活用について、現状と「今後どうなりそうか」を取材しまとめた。

■ウェブ広告で生成AIを利用

 健康食品などの通販事業者の中には、「広告に生成AIを使用したことがある」という企業も、すでに出てきているようだ。「生成AI広告の営業メールが毎週のように届くようになった」といった声も聞く。
 23年には、パルコや伊藤園が、生成AIで作成したAIモデルを使った広告を作り、話題を集めた。生成AIを広告に活用したところ、広告の成果が数倍に跳ね上がったという事例もあるようだ。
 さまざまな業界で生成AIの利用が進んでおり、今後通販業界の広告においても、さらに利用が拡大していくと考えられる。
 一方で、各国では生成AIプラットフォームを著作権侵害で訴える動きも出てきている。活用にはリスクもありそうだ。


■裁判沙汰に

 OpenAI(オープンエーアイ、本社米国)は著作権関連でたびたび訴えられている。米国においては、23年12月に、米紙ニューヨーク・タイムズがOpenAIを著作権侵害で訴えた。24年1月にはノンフィクション作家が、同2月には米国のウェブメディアが、それぞれOpenAIを訴えている。
 「Midjourney(ミッドジャーニー)」など、画像に特化した生成AIサービスに関する著作権訴訟も起こっている。
 中国では24年2月、生成AIサービスが生成した画像が著作権侵害に当たるとする判決が下った。

(続きは、「日本流通産業新聞」3月14日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ