【食品通販・食品宅配最新動向分析】 ”コロナ特需”の反動も差別化施策に活路/顧客接点の確保、認知拡大が業績を左右(2024年2月29日号)

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 「日本流通産業新聞」はこのほど、食品通販・食品宅配に関する特集を実施した。食品通販では、ジャパネットたかたやジュピターショップチャンネル、ハルメクなどのトップインタビューを掲載。食品宅配では、売上高ランキングとともに、阪急キッチンエール関西やSL Creationsなどのインタビューも掲載している。トップ企業の動向から24年の食品通販・食品宅配業界の最新トレンドと課題、それに対応する解決策が見えてきた。

 24年の食品通販業界では、アフターコロナによる消費者のリアル回帰が業績に影響を及ぼしている企業が多い。24年はさらに、「ここでしか購入できない商品」の開発が鍵を握ることになりそうだ。
 テレビ通販やカタログ通販の大手企業でさえも、商品開発において手を抜くことはない。各社、さまざまな方法で納得のいく商品の開発に注力している。
 テレビショッピング番組「ショップチャンネル」を展開するジュピターショップチャンネル(本社東京都、小川吉宏社長)は、「パックご飯」においても、一般流通の商品とは異なる商品を販売している。
 商品には日本有数のコメどころ富山・入善(にゅうぜん)のコメと、”名水百選”に選ばれた黒部川扇状地湧水群(ゆうすいぐん)の伏流水の湧き水を使用。さらにメーカー独自の技術でふんわりと炊き上げたパックご飯を開発した。
 同商品を開発したのはコメ関連商品を主力とするメーカーだ。「NASAクラス100」というNASAの施設と同等レベルのクリーンルームを作り、赤ちゃんでも安心して食べてもらえるまでに品質を高めることに注力した。

 23年度の食品宅配業界は、コロナ特需となった反動が顕著に表れている。食品スーパーと競合する生鮮系企業では、消費者の行動がコロナ前に戻るなかで、より付加価値のある食品ECやネットスーパーに顧客が奪われつつある。また、世帯人数が減少し、顧客単価も下落傾向にある。ミールキットを販売する企業が若年層の開拓に乗り出したり、生鮮品宅配が顧客接点の確保を目指してアプリやSNSなど非対面の取り組みを強化したりしている。さらに、アップサイクル、高付加価値の食材やサービスの動きも活発になっている。


<生鮮品・ミールキット> 減収トレンド、コロナ前の水準に

 ミールキットを販売する食品宅配企業は、コロナ前の状態に戻りつつあるようだ。食品宅配大手のヨシケイ開発(本社静岡県)でも「コロナ禍の前の状況に戻りつつある」(広報)と説明する。あるミールキット販売企業は「物価高騰による値上げとコロナ禍の反動により、ミールキットの販売状況は減少傾向が続いている」(広報)とコメントした。

(続きは、「日本流通産業新聞」2月29日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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